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石咒女守ノ荒神 共通①
「はー毎日御参りで筋肉痛だよ~」
私の家は先祖代々
毎日神社に参拝に行かなくてはいけない。
という変な家訓がある。
「神様、どうか火焔炎町をお守りください」
手を叩き、目を閉じて祈る。
すませて帰る。後ろから私を呼ぶ声がきこえた。
「ウズメちゃーん!」
「あっヒイラギちゃん!」
誰かと思えば、親友の柊ちゃんだった。
小学生の頃から高校まで一緒。
田舎に近い雰囲気の町だから、昔からの知り合いは沢山いるけれど。
「神社の帰り?」
「うん」
「でも、神社ってどこにあるの?」
「私もよくわからない」
あの神社は不思議なことに、参拝以外では道がわからなくなる。
「地図にも載ってないなんてマジ神隠し?」
「あはは……」
――――
「ウズメちゃんってば今日もあの神社に行くの?」
「うん、毎日行かないと祟られるらしいから」
「信仰心の薄れたこのご時世、たった一人、村人を護る為神社に参拝する若者…
なんて健気なの…」
「あの、参拝者一人じゃないしここ村じゃないけど」
私の名前は神話に出てくる雨乞いのダンサーさんにちなんでつけられた。
偶々名字が雨野だったからだ。