動きに合わせて
背骨が一回エビフライになって,
そのあと使えない水死体になって,
そしたら全部終わってしまって,
脂肪が冷え固まったロウみたい。
まぶたは落ちた魚のうろこ,
つぎはぎあてた洋服の裾。
ずっと広いずっと広い、富士山の700倍。
目が反対についていた
内側ばかりが良く見えて
傍から見れば白目むいてた
目からうろこがボロボロ落ちて
受け止めたら両手が切れて
滲み落ちた血がつま先濡らした
赤茶色の
こげ茶色の
コンバースのつま先が
牛と蜂の巣を蹴りあげる
牛が溶ける 蜂が喋る
牛が溶ける 蜂が喋る
どこまでいっても言葉だけが通じない
出来の悪い失語症
失語症
並木道
の 波間に揺れる
髪の毛
網を作って街をとらえる
欲しくもないから潰してしまう
全部は夢
全部が夢
何もいらない
何も知らない。