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エターナルリプレイ  作者: ドン
プロローグ
2/23

リプレイ??回目

リプレイ??回目



「侵入者がいるぞ!探し出せ!!」


外は騒然としている。遠方で荒々しい靴の音とともに鎧の擦れあう音が鳴り響いている。もう少し見つかるのは後だと思ったんだが・・・なかなか敵さんは優秀らしい


今俺がいるは敵本拠地の真只中「エリス砦」の文書室、敵国マイナー皇国の最前線の難攻不落といわれている自然要塞でもある。俺の目的は敵の侵攻作戦の内容と砦の内部構造の把握であり、なんとか砦の地図と機密文書は見付けられたのだが、、、脱出する前にどうやら侵入したことがバレたらしい。多分生きてこの砦をでることは絶望的だろう。本来生きて出られないなら偵察としては詰んだも同然、情報を得られても味方に知らせられないなら意味はないからだ。



でもそれは「俺」にはあてはまらない



別に俺が凄すぎてここから逃げ出せるって落ちではない。まぁ俺が凄いのは否定しないが、さすがに生きてここから出られると思うほど自惚れちゃいない。とりあえず俺は目の前の文書の暗記するため、必死に頭をフル回転させてる。



「指令室にはいないぞ!文書室を探せ!絶対に逃がすなよ!!」


そろそろ聞こえてくる音が近くなってきた。そろそろ限界か。今回の人生はなかなかいいとこまでいけたんだがなぁ、、、次に期待ってとこか。まぁ俺にはなぜか知らんが死んでもまた8歳からやり直せる能力がある。やり直せるからって命を軽く扱ったことは一度だってない。俺は常に1回1回の人生を全力で生きてる。




「まぁタダで死ぬのもなんだから少しおちょくってやろうか」

せっかくの人生だ、簡単に終わらせるほど安っぽくない。ここまで来るのに20年はかかったんだ。簡単に殺されてやったんじゃ割に合わない。不敵に笑いながら、どうやって最後を迎えるか少し考える。



バン!!


「っ!いたぞ!!」

完全武装した兵士が5人、殺気を漲らせながら部屋のなかになだれ込んでくる。それぞれ手にはロングソードを握りしめ、ふてぶてしく椅子に座り、文書を読んでいる男を発見した。しかし、その男はこれだけの非常事態にまったく動揺した素振りもみせていない。寧ろその態度に動揺した兵士が叫ぶ


「き、貴様!ここでなにをしている!!」


やっとこっちに気づいたとでもいう風に男はゆっくり文書を少し下してこっちに視線を向けた。なにを思ったのか男は眉をよせ、非常に不機嫌になる。



「だまらんか!貴様ら!!私が今重要な仕事をしているのがわからんのか!!」



覇気を伴ったその声に、兵士たちはすくみ上った。しかし、すぐにビビってしまった自分を恥じたのかより一層大きな声で怒鳴り返してくる。



「ここは許可なき者の立ち入りは禁じられているはず!誰の許可を得てここにいる!」


「許可?何を言っている貴様、私を誰だと思っている!ここの文章を見るのに私は誰の許可も必要としていない。」


さも呆れたように男はため息をついた。こいつらでは話にならない、そう雰囲気が物語っている。その態度にさらに動揺した兵士は助けを求めるように後ろにいる同僚の顔を見る。しかし、全員が戸惑っているようで誰もなにも言わない。気まずい沈黙が流れた後、急に男の方から喋りだした。


「貴様らなにを突っ立っている。まったく私が誰かも知らず、よくも無礼にも執務の邪魔をしてきたものだ、モンド伯爵を呼んで来い。貴様らの無礼罰してくれる!」



まさか砦の司令官であるモンド伯爵の名前がでるとは思わず、兵士たちは自分たちがなにか重大な失敗をしたんではないかと不安になる。最初の勢いはどこへやら、手に掲げていた剣も力なく地面に下される。それを見て男は不敵に笑った。『フン!これだから騎士上がりってのは馬鹿ばっか』


「わかったなら、さっさとモンド伯爵のところに案内したまえ!」

怒りながら立ち上がった男を、どうすべきか決めかね全員が道をあける。さも当然のようにその間をすり抜けそとを出ようとした男は、しかしすんでのところで目の前に立ちふさがる人物が現れた。目の前の立ちふさがった人物が自身より頭2つほど大きかったせいで、顔が見えず目線を上げざるを得ない。

相手の顔をみた男は「ちっ」と誰にでも聞こえるように舌打ちした。


「どうやら必要がなくなったようだな」

「モンド伯爵!!」


兵士たちは一斉に剣を掲げ敬礼する。モンド伯爵はそれを目線だけで返礼すると、男に向き直った。


「シュウ・クレメンツ閣下にわざわざご自身でご足労いただけるとは身に余る光栄ですな」

モンド伯爵はさも楽しそうに豪快に笑った。しかし、その名前を聞いた兵士たちは一瞬反応できず、唖然とし、頭が理解したことには爆発した。



「クレメンツですと!敵国の将軍ではないですか!」

「き、貴様!よくも騙したな!!」


あたりが騒然となる中、男だけは飄々とした態度を崩さず反論する。


「騙した?人聞きの悪い。私は全て真実しか話していませんよ。ここで重要な仕事をしていることも、この文章をみるのに誰の許可も必要としないこともね」


それはそうだろう、どこに敵国の機密文章を読むのに許可を取る馬鹿がいるのか。しかし、騙された兵士は恥をかかされたところの話ではない。今にもクレメンツに切りかかろうと剣を振りかぶる。



しかし既に攻撃を予想していたのか、クレメンツは一歩とび下がって距離をあける。兵士は振り上げた剣の先に既にクレメンツがいなくなっていることから、剣のやり場にこまり、さらに顔面を紅潮させている。


「まったくモンド伯爵、お客は大切に扱えと教育しなかったのですか?兵士がこれではお山の大将もたかが知れるってものですよ」


「はっは、大切なお客には一発であの世へ送って差し上げれるように教育しているつもりだったのだが、まだまだ教育不足のようだな。仕方ない、某自身が丁重にお相手いたそう」


言葉が終わるか終らないかのうちに、その巨体には見合わず素早い動きで抜刀したモンド伯爵はクレメンツへの迫った。



ザッ、カッ!音とともになにかか中を舞う。よく見ると人間の左手であった。兵士は反応できずに、一瞬呆然としたが、二人をみると状況がわかったらしい。


「モンド伯爵!!」



「いや~大した腕だよまったく、危うく首を切られるとこだったよ」



クレメンツは飄々とした態度を崩していなかったが、、、“彼の”左手前腕から先は既に失われていた。モンド伯爵の斬撃を避けられないと判断したクレメンツは、素早く左手を犠牲にし敵の斬撃の軌道をそらすことだけに集中した。左手一本で命が助かったんだ、安いものである。


「ほう、これで殺せなかったやつは久しぶりじゃわい」

モンド伯爵は近隣諸国に名の知れた一騎当千の武将である。彼の戦場での一撃は10の命を刈るといわれている。そうでもなければ、この最前線の重要拠点の防衛の任には任されてはいないだろう。そういう俺もこいつと面と向かって戦う愚を知っていたからこそ、危険を冒してここへ忍び込み情報を得ようとしたわけだが。



「まったくそれだけの才能惜しいものよな。ここへきて生きて戻れると自惚れたか。若造ほど自身の才に溺れ、身を滅ぼす。まさか貴様もその馬鹿の一人だとは思わんなんだわ。次生まれ変わることがあれば、もう少し賢くいきるんじゃな」


そういってモンド伯爵はため息をつき、再び目にも止まらぬ斬撃を放ってきた。今回よけるのは絶望的だろう。


「ご忠告痛み入るよ、なにまたスグに会えるさ」


ザン!白刃のきらめく光が見えたかと思うと、不敵に笑ったままの顔でクレメンツの首は床に転がった。


死んでいかにして会うというのか、最後のセリフに首をかしげるモンドであったが、ともかく相手国の重要人物をここで始末できたことは大きい。次にどう相手が出てくるか、頭で考えを巡らせながら部屋を出ていこうとしたモンド伯爵は自分が切って捨てたクレメンツの体がほのかに光っていることに気付かなかった。



ドッ!ゴォォォオオオオオオン!!


それは人生最後の大花火、クレメンツが最後に仕掛けた死を代償にする儀式魔法。クレメンツの能力の性質上ここでその魔法を使う自体に特に意味はない。寧ろ意味は皆無だろう。そうそれはただの嫌がらせである。





死亡を確認しました。


リプレイ開始します。

ローディング中・・・


インポート完了


リプレイを開始します。。。


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