第七話 入学前日
都市を徘徊?します。
「何で都市が浮いてるんだ・・・・・・。」
俺はこの都市に入る前に眼にした光景をまだ信じられないでいた。
「だーかーらー・・、魔力だって!」
ありえんだろ。
だってこの都市王都よりでかいぞ。
これだけの質量を持ち上げるためには最低でも一分で一人が一生に使う魔力を使うが必要がある。
今やってみて気付いたのだが俺の演算能力は異常なまでに高いようだ。
「魔力は尽きたら死ぬんだろ?」
「そうだよ。」
「俺の計算だと毎日一人ずつ死んでることになるんだが?」
「この都市では税金の他に魔力も少しずつ徴収しているの。」
なるほどね道理で浮いてるわけだ。
「人の魔力は一日ごとに回復するからそれで減っていくことはほぼあり得ないの。」
「そうだったのか・・・・。」
俺は無限の魔力を有しているから分からないけど。
「で、どこに行くんだ?」
「学園に行く準備をするよ。」
「学園はいつからだ?」
「明日からだよ。」
また急だな。
「俺も準備するんだよな・・・?」
「当たり前じゃない。」
「俺は何を準備したらいいのか分からないから、よろしく頼むぞ。」
「任せておいて!」
何か心強いな。
その後俺達はいろいろなところを回った。
最後にはアクセサリーや軽く身に着けるものを見た。
俺はなぜか普通じゃない目の色を隠すためにカラーコンタクトを作った。
異常だと分かったのは神にかけろといわれていた眼鏡を取ったときリディアが教えてくれた。
何でもオッドアイだったらしい。
右目が金色、そして左目が銀色というなんとも不可思議な状態。
オッドアイ自体は珍しくはないらしいが色がおかしいらしい。
ということで、両目ともリディアの指定でエメラルドグリーンにしておいた。
ちなみにリディアの目の色は両目ともサファイアブルーだ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
学校に行き手続きをしたとき、一応魔力を測定した。
リディアは326万という数値をたたき出していた。
リディアに言われつけていた腕輪に指輪をして293万だった。
この学園の入学最低ラインが80万だからまあ驚かれた。
平均的には150万前後だな。
それにしてもこの腕輪に指輪さすが王室の一級品だな。
無限の魔力をここまで抑えるなんて。
ただ両腕とそのすべての指につけた結果だけど。
入学手続きを終えた俺達は寮に案内された。
「ここが寮となっております。」
「でかいな。」
高級ホテルのような外観、内側もかなり充実している。
「部屋はどうされますか?」
「私はハヤテと一緒でかまわないわ。」
マジで?でも俺もそれで(が)いい。
「俺もそれでかまわない。」
「はい。分かりました。」
「ありがとう。」
「明日の入学式の時間はお伝えしたとおりですのでくれぐれも遅れないように。」
「分かったわ。」
では今日はゆっくりお休みください、といわれたので俺達はその場を後にした。
渡されたカードキーを使い部屋に入る。
その途端に。
「はぁ~、疲れました~。」
リディアが敬語に戻った。
「敬語に戻ったら意味がないだろうに。」
「疲れたんです!」
ムキになっていらっしゃるところ悪いが可愛いだけだぞ。
「はいはい。」
「むぅ~。」
膨れてるリディアも可愛いな。
「明日は入学式だ。早くシャワー浴びて寝るぞ。」
「は~い。」
「先に入っていいぞ。」
「覗かないでくださいね?」
覗けというフリか?
いや・・・・・。
まじめなリディアがそれはないな。
やめておこう。
後が怖い。
五分ほどたった。
リディアが火照った顔でこっちに歩み寄ってきて、
「お先でした。」
と笑った。
惚れてまうやろー!とどうでもいいことを思いつつ俺もシャワーを浴びて寝た。
明日は入学式です。