第六話 到着
魔物～魔物～。
「さっきの大群はなんだったんだ？」
「あれは獣戦士。単体なら最低（Ｅ）クラスの魔物です。」
「最低ランクがあれか・・・・・。」
「ですが、群れることが多いので集まった場合はＢクラスとして扱われます。」
「戦士にはきついかな。」
「そうですね。戦士の戦い方は一対一を主としていますから。」
「それにしても驚いたな・・・。」
「何にですか？」
「お前があんな魔法を使えることにだよ。」
「あれくらいやれなきゃ学園に入れてもらえませんよ。」
学園って魔力量見て終わりじゃなかったんだ。
「ハヤテにも驚きましたよ。」
「え？」
「武器をあんなふうに使うだなんて・・・。」
しょうがないだろ・・・。
でもまああれはもう使わない予定だし。
「お前が学園に着いたら俺はどうすればいいんだ？」
「何言ってるんですか？」
「何って・・・・。」
「ハヤテも入学するに決まってるじゃないですか。」
「ああそう・・・・。」
ん？
入学するの！？
初耳だなおい！
「大丈夫です。あれだけのことが出来れば問題ないと思いますから。」
「でも俺は魔導師というよりは戦士だぜ？」
「大丈夫ですよ。」
そうかなぁ・・・。
「魔法学園とは名ばかりの冒険者育成学校みたいなとこですから。」
「ということは・・・・？」
「普通に戦士の人もいます。」
「もう学校の名前変えろよっ！！」
そんなことを話していると前に巨大な何かが見えた。
「なんだあれ？」
「うそでしょ・・・・？」
「なんだあれは？」
「移動型第七拠点要塞ガイサス・・・・。」
「それは・・・？」
「科学と魔術のバランスがうまく取れて発達しているゼスタ帝国の主力艦です。」
確かそことは今休戦状態なんじゃ・・・？
とりあえず隠れるか・・・・。
「リディア・・・。こっちに来い・・。」
「はい。・・・・？」
「空間を無理やり歪ませる・・・。」
「無理ですよ！魔力の量が足りません！」
「リフレクション・・・！」
これで見えないはずだが・・・・。
「しずかにしててくれよ・・・。」
目の前を通過して姿を消した。
ここは国境付近だったのか。
「はやて！後ろ！！」
俺はリディアを抱え大きく後ろに飛びのいた。
するとそこには・・・・。
「これはＡＡクラス！ロス・ダイン！！」
目の前には巨大な人型の魔物が立っていた。
「そんな・・・・・。」
「どうしたんだリディア！？」
「このクラスは五人いてやっと倒せるという意味です。」
なるほど。
「私たちふたりだけじゃあ無理ですよ。」
「じゃあ下がっていてくれ。」
「無理だって言っ・・・・・！」
俺は手で制し後ろに下げた。
発火能力を使うか・・・・。
とりあえず、武器も作っておこう。
「換装・・・・天突槍・・・。」
大きめの槍と楯を身にまとう。
「いくぞ！」
前に勢いよく突き出した槍は軽くはじかれてしまった。
ええい！
もうめんどくさい！
「リディア！もう少し離れろ！」
リディアが離れたのを確認し・・・・。
手のひらにハンドボール大の火球を作る。
「これでかっとべ！」
投げつけた火球は見事に命中！
しかし、命中と同時に爆風も発生！
俺は瞬時にリディアに駆け寄り爆風から守る。
しかしこの姿勢押し倒したみたいになってる・・・・。
まあこの際気にするな！
元いた場所を確認すると、地面が三十センチほど抉られていた。
あぶねぇ！
俺がやったんだけどさ！
やっぱあぶねぇよ！
「今のはいったい・・・・・？」
リディアがきいてくる。
「魔法ではなかったみたいだし・・・・・。」
言うか・・・。
「黙っていて悪かったな。」
え？と顔をこちらに向けるリディア。
「あれが俺の本来の能力だ。」
ほかにもあるがな。
「おれにはもともといくつかの能力が宿っている。」
幾つかって量じゃないけどな。
「その中の一つだ。」
「えっと・・・どうやって・・・・？」
「メカニズムは俺にもわからん。だが魔法と大して変わらない。」
「ん？」
「体力を消費するだけだ。」
そうなんだ。と納得したリディアをつれて歩いていると建造物郡が見えた。
「あれだよ。」
知らないうちに敬語も直っていた。
「あれが超魔導都市エンディミオン。」
少し浮いてるのは気のせいだろうか・・・・？
何が？って都市ごと五センチくらい浮いてるんだ。
「さあいこうよ！」
ちょっ！？エンディミオンって・・・・！
と思った方は何も言わずに心の中にしまっておいてください。
