プロローグ
ただ学校帰りにコンビニ寄って、お菓子とかジュースとか買って家に帰ろうとしてた、俺、綾瀬辰巳(♂)。
俺は、何故か真っ黒い、禍々しいような雰囲気をもつ落とし穴に落とされた。
穴はコンビニの横の道にあった。くそ、近道したのがいけなかったか
あーー………
俺のお菓子が飛んでいく……
今考えたら、叫び声も上げずに落ちていく俺は、相当アホなのか、それとも度胸が据わっているといっていいのか……
良いほうに考えよう
そして今現在。
またまた真っ黒い部屋?地下室?みたいなところで寝っ転がっている。
目を開けてキョロキョロと周りを見渡しても、暗いため全然把握できない。
目が慣れ、起き上がると俺は魔方陣みたいなやつの上にいた。
なんだ……?これ?
どういうことなんだ!?
いきなりのことに俺は動揺した。不用意に動くと危険なので目線だけで確認する。
すると扉が開かれ、まぶしい光が襲った。
くそ、目がいてえ…
「……ま、魔王様…!?」
魔王……だと…?
そして混乱する間もなくあれやこれやと風呂に放り込まれ、着替えさせられ、そして馬鹿デカイ謁見の広間みたいなところにある上座の椅子(王様が座るようなやつ)に座らされていた。
どーゆーことさ!
「私の名はヴァイア。僭越ながらあなた様がこの世に召喚されたのを感じとりました。」
そういって頭を垂れるヴァイアさん。
ヴァイアさん…いや、ヴァイアが言うには俺は魔王になるためにこの異世界に召喚されたらしい。先代の魔王がそろそろ隠居したいと言い出し、慌てて召喚したとか
おい。なんで俺なんだ
「350代目魔王様は異世界より召喚されたし。との言い伝えがございます
あなた様は選ばれたのでございます
どうか、魔王として魔界を統括し、攻めてくるであろう人間たちを鎮めて頂きたく」
「俺は元の世界に帰れるのか?」
そう言うとヴァイアは下を向いて静かに言った
「無理かと…」
「そうか………」
一呼吸置き、口を開いた
「なら俺がなってやるよ。おもしろそうだし」
ヴァイアはうれしそうに顔を上げ、そしてまた深々と下げた
「ありがとうございます魔王様」