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裏の《百物語会》 ― 人魚のはなし ー  作者: ぽすしち


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塩もってこい



 貝の毒にあたったものたちも、しびれも残さずよくなって、陽が沈むまでにはみなで浜に流れてきたものを片付け、こわれた家の屋根もなおし、明日、男たちがもどってもすぐに仕事ができるようにととのえた。



 ところが、あんなに空が荒れていたのに、海はすぐにおだやかさをとりもどし、陽がおちるすんぜんで、男たちの船がもどってきた。



 こどもたちがよろこんでいつものように浜にならんで待っていると、だんだんと近づく二艘のうちのひとつの舳先へさきから、親方が「塩もってこい!!」と怒鳴り、こどもたちは逃げ隠れ、女たちはあわてて家から塩をもちだした。



 一隻の方は、いつものように浜にもどったが、親方がのったほうの船は、浜からすこしはなれたほうへよせ、岩にもやい、親方は岩場をつたっておりてくると、かみさんがもってきた塩のもられた椀をさらうようにうばい、「おめえらは家にこもれ」と言った。


「魚はおれたちがおろす。こどもを外にだすんじゃねえぞ」



 岩場にとめられた船は、網をひきあげずにここまでもどっていた。



「 ああ、死人しびとをひろうたかア」

 この浜でいちばん年寄な婆さまがそういったが、親方はひどくこわい顔のまま、「ええから、もどっとれ」と手をはらった。




 漁で『死人』をひろってしまったときは、この浜では連れ帰って土に埋めてやる。


 そうしないと、つぎの漁のときに、魚がとれないし、ひどいときは船を沈められてしまうという。




 そういえばタキちゃんはこれにも「そんなん、あるわけねえ」とおこっていた。





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