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裏の《百物語会》 ― 人魚のはなし ー  作者: ぽすしち


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5/32

見たい


「ほれ、海の神様のほこらをみてこいゆうて、おまえだけおぼれて流されかけたり、村長の家の庭に勝手にはいって、親父さんにえっらいどなられたじゃろお」


 村長の家のにわ?


「  ・・・・あ 」


「思い出したか?まあ、それでもおまえ、タキにくっついておったもんなあ。姉ちゃんみたいなもんとおもっとったんか」


 夫のわらうこえをきいていたら、どんどんとおもいだした。



 村長の大きな家の大きな庭。



 白い砂の浜には行ったらいけないと親にいいきかされていたのに、タキちゃんが行こうといったのだ。



「白いきれいな浜、見たいじゃろ?」


 たしかに、見たかった。


 たしかに、しろくて、きれいな浜だった。



「あっちにな、この浜よりずっときれいなところがあるんよ」



 タキちゃんが先にあるいていったその先に、大きな家がみえた。さすがにそれが村長むらおさの家だというのはすぐにわかった。


 みつかったらおこられる。



 そういって着物をひくと、タキちゃんはいつものようにはっきりとくちにした。


「 そんなん、みつかるかわからんよなあ。ここのおおきくてきれいな庭をひとまわりしてみんとなあ。ほれ、みてみイ。庭に池がある。なんじゃ、あかい魚がおよいどる」

 

 たしかにタキちゃんがゆびさした庭には池があり、赤い魚がみえた。



 そうするとまた、タキちゃんが「みたいじゃろ?」ときいてくる。




 そうだ。いつもこうやって、けっきょくこちらが、その危険なところへ先にゆくことになるのだ。


 




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