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裏の《百物語会》 ― 人魚のはなし ー  作者: ぽすしち


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28/32

そのうちわかる

!!ご注意を!!  。。流血、および残虐な描写がございます。。


「でも、タキちゃん、」



「 それになア、あの《薬売り》、うちがここの村長むらおさの家のモンだってゆうたら、めんどうになるのは避けたかったんじゃろなあ。 ―― こっちはさいそくしとらんのに、『人魚の肉』を、わけてくれたんよ。 ああ、あんたはずっと『うそくせえ』ってゆうてたんじゃろ? まあ、でも、 ―― そのうちわかるじゃろおからなア、 」



 タキちゃんは、こどものころとおなじような、あたしに勝ったようなわらいをむけていた。



「 ―― あの、『人魚の肉』いりの粥、うまかったか?ああ、ほんとうに、うちの子に食わせんでよかったわ。不老不死になるなら、すこしは体にいいかともおもうたけど、あんた、つぎの日に倒れよったんじゃろオ?ああ、うちは『なんでも治せる薬』なんて持ってねえから、あやうく子どもを殺すところじゃったわ。 でも・・・、でも、その薬がなかったから、あの『毒』を間違えて飲んじまったあの子を助けられなかったんだ・・・、そうだ!だから、だからやっぱり!やっぱりあんたが《薬売り》からもらった薬は、 あたしによこせばよかったんだ!!」




 たもとからだした包丁をつかんだタキちゃんが、とびかかってきた。




「 あの毒は、 あんな毒、粥にいれてあんたにくわせちまえばよかったんだ!ほしかったンは『人魚の肉』なんかじゃねえ、あんたがもらった薬がほしかったんだ!ほしかったけど、あんたに頭をさげるンなんかぜったいに嫌じゃった! こンの、親方のむすめだからって、ちいせえころからひとをばかにした顔でみやがって!お情けでいまも声をかけてやってる気でいるんじゃろが!おまえがわるい!あの子が毒をのんだんはおまえのせいじゃ!!」


 一度はよけたが着物をひかれて倒れこみ、そこへタキちゃんがのしかかった。


「 おまえなんかおまえなんか!! 」


 両手でつかんだ包丁がふりおろされるのをみた。





 

 それなのに、 ―― つぎには顔に熱いものがふりかかり、ぜんぶが真っ赤になった。






 あたしにまたがったタキちゃんの頭がなくなり、首からふきだす血のせいだった。






 わけがわからないまま顔をぬぐうと、ぐにゃりとながいものがめにはいった。

 それは、タキちゃんがもっていたはずの包丁をもつ、ぐにゃぐにゃとのびたながい手で、ゆれながら海のなかへとひいてゆくところだった。




 カラン



 包丁は岩場におち、白い手がきえたところで、ばしゃん、と水がたつ音がした。






 島には、タキちゃんの首のない骸と、あたしがのこされ、



  あたしは、  浜のひとがさがしにくるまで、

  



   タキちゃんの頭のないからだをかかえて、 うごけなかった。










おつきあいくださってる方がいらっしゃいましたら、つぎの章でおわりですー。もうしわけございませんー。明日になりますー。

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