岩場のひろいもの
。。ご注意を。。 残酷な表現などでてまいります
「 ・・・そう・・・。なら、あの《薬売り》のゆうたことは、ほんまじゃったンかねエ」
「タキちゃん、ありゃ、あやしい《薬売り》なんよ。人の骸なんてもん、」
「『人魚』じゃ、ゆうてたよ」
「・・・・え?」
「あの薬売り、浜のはずれの岩場で会うた、ゆうたじゃろ?そんときうちなア、岩場で拾い物してなア。そんときに、ちょうど来て、『それ』を譲ってほしい、って」
タキちゃんはきゅうにあたしをしっかりとみてわらった。
「 岩場になにかひっかかってあがってたからきになってひろったらな、 ―― こどもの頭だったんよ」
「 ・・・・こ、ども・・・の?」
うん、あたま、とタキちゃんはさらにわらった。
「 丸いもんに海藻がはりついてるンかとおもうたら、髪の毛でな、・・・おどろいたけど、ああ、男のこどもじゃおもうたら、気の毒になって、そのまま騒ぎになるまえに、どこかに埋めてやらんと、おもうてたら、 ―― 」
いま、あんたがひろったそのこどもの頭、譲ってくれねえかい?
ふりむいたらきたない白い着物を着た男がくちをまげて立っていた。




