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裏の《百物語会》 ― 人魚のはなし ー  作者: ぽすしち


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豊漁のあと

 。。ご注意を。。 このあたりから、残虐な描写がでてまいります。。。



 空の色はきのうよりも濃く、気味の悪いものだったが、海の神様にもお願いし、船も塩できよめなおした。

 気をいれかえてゆくぞという親方の怒鳴り声が終わらぬうちに、水鳥がさわいでいるのがみえ、魚があつまっているのがしれた。


 親方がおさえている漁場をまわるまでもなく、つぎからつぎへ鳥があつまるところがあらわれ、どんどん魚がとれる。



 そうして鳥の群れをおっていたら、だんだんと空が暗く黒くなってきて、これはすぐにひきかえすか、ちかくの島へいったんあがろうということになった。



 きょうは昨日の分までとれたようだとみな上機嫌で網をひいて片付けようとしたとき、たかくなってきた波のあいまに浮かぶ《白いもの》がみえてきた。



 波のあいまにも、それのかたちはなんとなくわかった。


 人の白い背と、のびた腕だ。



 こりゃ流れてきた死人じゃろ、とみなが嫌そうに網をひいて船にもどしたとき、その白いもののまわりに、ときどき波にまぎれてうかびあがる、黒いまるいものがみえた。



「 ・・・おい、ありゃ、 ・・・こどもじゃねえか?」

 浮いた白いもののそばに、波間から、ぽしゃん、ととびでてくる黒いものは、ちいさな子どもの頭だった。 ぬれてはりついた髪の間に、白いちいさな顔がある。



「こぐぞ!!」

 親方の一声で二艘そうの船はそこをめがけてすすんでいった。



 だが、空はもう黒い雲におおわれ雨がふりだし、風は波をさらに高くしてゆく。


「しかたがねえ、およぐ」


 腰に縄をまきつけた親方がとびこもうとするのをみんなでひっしにとめようとして、はなせ、やめろ、と押し問答もんどうしてるあいまに、もうかたほうに乗っている、投網とあみの得意な男が、だめでもともと、と網をなげた。




    みぎゃあああああ!!



 まるで猫がケンカのときにあげるような鳴き声がひびき、ひきよせた網に子どもと、白く浮いていたからだがいっしょにとれたようで、船が波に返されそうになりながらも、おとこたちは網をひきよせ、どうにか船にあげた。




  夫は、このとき、網がいやにぬるぬるとしていると思ったそうだ。






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