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玉ねぎの抵抗
玉ねぎは、この暗く、重苦しい世界から抜け出したくて、地上に精一杯手を伸ばしていた。しかし、彼に気付いてくれるものなど誰もいない。
世を恨んで儚んで、このまま土にかえってしまおうと思っていた。しかし、その時、彼の前に光が差し込んだ。この地中から誰かが彼を引き上げてくれたのだ。
何をされたとしても、あそこにいるよりはずっとマシだと考えていたが、現実はそんなに甘いものではなかった。
彼は人気のないところに連れて行かれ、皮を剥かれて、体を綺麗に洗われる。そして、彼は硬いベッドの上に寝かされ、目の前に刃を振りかざされた。その刃は無情にも彼の体を縦横無尽に走り粉微塵に切り刻む。
彼はバラバラにされながらも、自分の身を守ろうと体液を撒き散らした。
しかし、最後の抵抗とばかりこぼした体液も、彼を助けるには至らなかった。
炒められ、茹でられ、調味料を入れて混ぜられ、彼はとうとうオニオンスープにされ、食べられてしまった。




