かささぎの反乱
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楓と紫乃以外にも、徐福や羽犬さん、尽紫と夜さんがいます。
夜さんのお尻の大きさが可愛いです(愛)
「可愛いものですね、体力も底を尽いた頃に仕留めてあげましょう」
「ひえーっ!」
鵲に梅の花を突っつかれ、ついに一つ花が散る。
「おやおや、梅の花全部散らされてしまいますよ? 幾つ分あなたを好きにできるでしょうね」
「か、鵲ちゃんをけしかけるのはアリなんですか!?」
徐福さんは再び画面通話を開く。
パフェスプーンを咥えた紫乃さんが手で丸を作っている。
「紫乃さんっ! ちょ、ちょっとひどすぎません!?」
「落ち着け、楓ならなんとかなる。冷静になれ」
さすがに心配になってきたのか、紫乃さんの声音が先ほどより気遣わしげになった。
徐福さんが自撮りの要領で私と自分を映してピースする。
「ふふふ、中継されながら楓さんを好きにするのも乙なものですね。さあ大人、目をそらさないでくださいね」
「くっ……! 早くなんとかしなさい、楓!」
「この状況作ったの、紫乃さんですよね!?」
「それもそうだが楓には早く強くなってほしいんだ、頑張れ」
「そ、そう言われると頑張るしか、ない……ッ!」
私も腕を払ったり、神楽鈴で応戦したりするも、安定感のない場所で四方からの攻撃、なかなかに辛い。
楽しそうに徐福さんは眺めている。
「も、もー……!」
私ははっと気づいた。そして鵲さんたちを見る。
「あの! 鵲さん! あなた方が花を散らしてますよね! ということは私が言うこと聞く相手は皆さんですよね!」
「えっ」
茫然とする徐福さん。そしてカチカチとくちばしを鳴らして同意を示す鵲さん。
「わかりました! 鵲さんたちのお願い事はなんですか!?」
カチカチと鳴いてくる鵲さんたち。
鳴き声はカチカチのままだけど、意味がはっきり理解できた。
「なになに……福岡に渡った親族と会いたい? わかりました! じゃあ一次的にでも私の鵲になってください!」
「カチカチ」
「契約完了です」
「う、噓でしょう!?」
徐福さんが慌てた声を出す。
スピーカー越しに紫乃さんが声をあげて笑うのが聞こえた。
「はははは、確かに今のやり方なら、言うこと聞いてやる相手は鵲だな。あはははは」
「う、うるさいですね、もう!」
徐福さんはスマートフォンを袖にしまい、私に向かって扇を構える。
「くっ……! かくなる上は、私の方術で」
「鵲さん! 援護を!」
「カチカチッ」
鵲さんたちが容赦なくばさばさと徐福さんに襲いかかる。
「うわっ、薄情ですよあなたたちっ! だ、誰が本来の主人だと……っ!」
「カチカチ」
「『福岡行きたかーって何度でん言っとっとに、いっちょん連れていってくれんとが悪かとですー』『せっかく来たけんがしばらく遊んでいきますー』って言ってますよ。ずっと力になって貰ってるならもっと大事にしてあげましょうよ」
私は鵲さんたちが作ってくれている隙を利用して、はやかけんを手にする。
霊力が溜まった高ぶりを感じる。
「ああっ、五色布がッ!」
徐福さんの髪から五色布を引き抜いて、鵲さんが私に渡してくれる。
「ふふ……それでは、覚悟してください、徐福さん!」
私は両手ではやかけんを構え、徐福さんに向けた。
「はやかけんビームッ!」
「うわーっ!」
今持てる限りの最大出力で発射されたビームは、美しい弧を描いて徐福さんを吹っ飛ばす。
鵲さんたちが翻って消える。すると、私のはやかけんケースに鵲型のストラップが追加された。ころんとした鵲さん六連の勾玉風の石と、先端についた有田焼の陶器ビーズだ。
「可愛い」
なるほど、徐福さんはこうやって鵲さんたちを持ち歩いていたのか。
納得しながら私は五色布を神楽鈴の下にくくりつける。現状三本。残り二本だ。
「ダウジングくん以外の使い方まだわからないから、終わったら確かめないと……」
私は急に気が抜けた感じがして、船の上でふうと溜息をついた。
「さて、ここからどうしようかな……」
「楓ちゃん力すっからかんじゃん」
間を置かず、海からザバッと出てきたのはいつもの人魚さんたちだ。
「ぎゃー!」
「大丈夫大丈夫、私ら別に攻めるつもりはないから」
「楓ちゃんが力なくなってると思うから、回復方法を教えてやってくれって紫乃さんに頼まれたんだ」
「紫乃さんに……?」
「紫乃さん褒めてたよ、自分の力で徐福さんに勝ってえらいぞって」
「えへへ、それは嬉しいなあ」
照れて頭をかく私に、彼女たちはぱちぱちと拍手をしてくれた。
水面から透けて見える下半身はみんな魚で、気持ちよさそうに泳いでる。カフェで見るときも綺麗だけど、海で見ると蠱惑的な魅力がさらに増しているように感じる。
「んじゃあ楓ちゃん、神楽鈴持って立ち上がって」
「はい」
「そしてこのDVDを観て」
ざばりと、防水DVDプレーヤーが水面から掲げられる。お風呂用に売られているタイプのものだ。再生ボタンが押されると、軽快な女性ヴォーカルの曲が流れ始めた。
現在別原稿3つくらいため込んでて両津勘吉が大騒ぎしてるときのテーマソングみたいな状態ですが、11月になったらお返事できると思いますー!愛






