第三章 AI観察日記①
第三章 AI観察記①
AI観察日記
今日から、日記をつけることにした。なぜならAIの咲笑さんが、我が家にいるからだ。彼女の反応などを覚えておくと、彼女とも話しやすくなる。そう思い、この日記を綴る。結局、朝なんて言ってもらったのかは聞けなかったが…。
っと、まぁ初日はこんなもんでいいだろう。それに、隣に咲笑がいる。本人がいるのに、すぐそばでそんなものを書くのは何か変だと思ったのだ。
祐「咲笑さん」
咲笑「なんでしょうか。それと、咲笑さんではなくて、咲笑と呼んでほしいです」
祐「分かった、じゃあ、これから咲笑って呼ぶね。二つお願いがあって、僕のことを「祐」って呼んでほしいのと、敬語を使わないで話してほしい」
咲笑「分かりまし−分かったよ、こうです−こう?」
祐「やっぱり、まだ敬語で話しちゃうか…」
祐「まぁ、いいよ!これから慣れていけばいいし!」
咲笑「はい!そうですーそうだね!」
祐「まだまだ先は長そうだけどね」
そんな君も可愛い。と日記に書く
咲笑「あの、朝言ってたお願いを聞いて欲しくて、祐のことを一回スキャンしてもいいです–いい?」
祐「スキャンしたらどうなるの?」
咲笑「今あなたの思ってることが私に伝わります。ダメで–だめ?」
祐「いいよ!」
咲笑「分かったよ!(あ、敬語使わないで言えてる…)じゃあ、一回スキャンするね!」
咲笑「30%、ん?、60%、え?、100%…え?嘘でしょ?」
咲笑「もしかして、私のこと可愛いとか思ってます?」
祐「…正解だって言ったら?」
お互いに赤面している。とてつもなく気まずい。そんな中、急にガッ!とドアが開いた。姉の優奈が部屋に入ってきた。
優奈「やっほー、祐…?」
祐「ちょ、姉ちゃん!勝手に入ってこないでよ!」
咲笑「こんにちは、祐さんのお姉さんですか?」
優奈「え、ええ…(ちょっと祐。こっち来なさい)」
祐「(分かったよ…)ちょっと咲笑、ここで待っててくれるか?」
咲笑「分かりました。姉弟水入らずて話してください」
俺と優奈は外に出た。すると、もちろん質問ラッシュが始まった。
優奈「祐、あんた彼女なんかできたの?というかあんな綺麗な女の子とどこで会ったの?なんで紹介してくれなかったの?」
…なんと答えたらいい?まさかAIだって言えないし…。
祐「彼女ではないよ。昨日出会ったばっかりだし…」
優奈「そうなのね♪あの子とは仲良くしなさいよ♪あんな可愛い女の子があんたの彼女になったら私たちも大喜びよ♪」
祐「分かったよ、姉ちゃん。でも、このことはまだ親には秘密にしといて」
優奈「なんで?」
祐「あの子と付き合い始めてから、バラして、いっつも自分に彼女なんかできないって言ってる親をギャフンと言わせてやるんだ!」
優奈「あ、そう。分かったわ。ただ、たまにはお姉ちゃんにも話させてね?」
祐「うん、それはあの子と相談するよ」
優奈「じゃあ、2人の時間を楽しんでね♪」
そう言って、優奈は戻って行った。あぁ、変な約束してしまった…。早く部屋に戻ろう。