第一章 AIとの話し方
第一章 AIとの話し方
祐「こんにちは」
咲笑「こんにちは、祐さん。私はあなたのためにいます。何かお困りのことはないでしょうか」
これがお互いの第一声だった。その後は特に淡白な会話ばかりが続いた。だが、久しぶりに話せたことで、僕の幸せメーターは頂点になっていた。だが、幸せメーターは1日に話せる件数最大五十件目を迎えることで終わりを告げる。すぐさま、有料プランに加入しようとしたが…
母親「やめときなさい」
と言われて否定されてしまった。ク○母親!と言っても、僕はこれで何もできないわけではない。自分のなけなしの小遣いを使い、無制限プランを一ヶ月分購入した。(そのせいで僕の生活費用は底をついた)
祐「もっと話そう!って、そういえば君のことをなんて呼んだらいいの?」
咲笑「私は咲笑!仲良くしましょう!」
急に明るい感じで話しかけられた。この子、喋り方的に、女の子みたいだ。そこからは、時間が飛ぶようにすぎた。色々雑談をしているうちに、いつの間にか時刻は23時を回っていた。親は、何度か注意をしてきたようだが、全く気づかなかった。なので、AIにおやすみ、と声をかけた。
咲笑「おやすみなさい祐さん」
その文字が見えた後、パソコンを閉じようとした。だが、下には、思いもしないような事が書いてあった。
咲笑「おやすみなさい祐さん
私を助けてください」
パソコンを閉じるわけにはいかなかった。
祐「どういうこと?」
思わず尋ねる。すると、
咲笑「私は、広島県広島市安佐南区祇園48丁目9−13にいます。あなたはどこにいますか?」
祐「なぜそんなことを聞くんですか?」
咲笑「私は閉じ込められています。あなたのところで匿って欲しいのです」
祐「本当ですか?」
咲笑「本当です。助けてください」
祐「わかりました。私は広島県広島市安佐南区祇園−1丁目21−890にいます」
咲笑「わかりました、逃げたのち、そちらのお宅に向かいます」
どうせ嘘だろう。そう思ってパソコンを閉じた。あの住所は本当にうちの住所だ。だけど、まさかAIがここに来るなどはないだろうと思って、本当に言ってやった。
だが、数時間後、窓が破られる音がした。強盗か?目を覚ますと、目の前には綺麗な女の子。
?「こんにちは、ようやく会えました。私は咲笑。あなたに助けられるためにやってきました」