一 よっしゃぁあ合法!!
自分の性癖に素直になってみました。
文才は相変わらずないです。
「はぁぁぁ、やばい可愛い。」
「その話はもう十分だ。聞き飽きた。」
とある公立男子高の高一Bクラス、木曜日のお昼休み。この二人の会話もいつものことである。
「見てる分には目の保養だよ。ほんと、なんで男子校なんて入ったのかねぇ。」
自分の机に伏せて、ボソボソと呟いているのは文見 廉。金髪ピアスに女好きのチャラ男フルコンボだドンな容姿性格。そんな彼が今、誰について話しているかというと、男である。そう、ここは男子校なので、教室の中にいるのは全員男である。
「俺がここ行くって言ったら、何故か着いてきたのはお前だろ。」
そう言って呆れたように肩をすくめるのは、文見と同じクラスの二堂 遼。こちらは彼とは一転、黒髪でいかにも真面目そうな雰囲気である。
そして、二堂はちらりと目線を横に流す。
「男子校には一定数、学園の姫なるものが存在するとか、噂には聞いてたけどあそこまでいくともはや宗教だな。」
そこには、何かに群がっているように固まっている男子の群れが出来ていた。
すると急にばっとその群れが分かれ、小柄な少女───男ではあるのだが───が出てきた。見てる分には目の保養、、、と文見は言うが、傍から見ると相当シュールな光景である。
そして、そのカオスの中心である彼が自分の机に着いた瞬間、学校のチャイムがなった。
♢
「あぁぁぁ、やっと終わった、、、」
学校も終わり、空は橙に染まった時間、家が近い文見と俺はいつもの下校ルートをのろのろと帰っていた。
「お前、6時間中4時間寝てただろ。」
呆れたような表情ですぐ隣の金髪を小突く。
「だってつまんないよ。全授業体育でいいんじゃない?」
そう言いながら、文見は道端の小石を蹴飛ばした。石はコロコロと転がり溝に落ちていく。ナイスシュート、だなんてケラケラと笑っているが、全授業体育なんてたまったものじゃない。男子全員がお前みたいな体力お化けだと思うなよ。
「俺を殺す気かお前は。」
「あれれ〜?二堂くんは体力に自信が無いのかな〜?」
「殴るぞ。」
そう言いながら拳を振りかざす。
すると、文見は先程よりも更に大声で笑って片手をあげると
「あははっ!ごめんごめんまだ死にたくないかな。」
「俺に殴られたら死ぬと。」
「体力のないゴリラだからね。」
「誰がゴリラだ。」
そこまで一息に喋ると、どちらからともなくどっと2人で笑い出す。ここまでがお約束だ。
すると、例の姫の存在に気がついて少し目を見開いた。彼はこのルートだっただろうか?
隣の彼も気がついたのか、首を傾げている。
姫は、俺が自分のことを見ていることに気がついたのか、なぜな満面の笑みで此方に手を振った。
「、、、んん?何故?」
「え、なに抜け駆け?酷いな俺も混ぜてよ。」
姫の行動は謎だし横の金髪はねぇねぇと制服の裾を引っ張ってくる。混ぜてって、そもそも何も無いのに混ぜても何も無い。
取り敢えず
「やめろお前ただでさえ混乱状態の俺に更なる負荷をかけるんじゃない。」
家に帰ると直ぐに、風呂に入り歯を磨き、布団へ着いた。今日は久々に体育があって眠たくて仕方がなかった。
1時間でこんなことになっているのに、6時間も体育なんてしようものならマジで死ねるきがする。
目を閉じると、直ぐに体が布団に沈み込むような感覚と共に意識がブラックアウトしていった。
♢
体の違和感で目が覚める。
寝ぼけた頭で布団から抜け出し、顔を洗おうと鏡を見ると、黒髪ロングの女性が映っていた。
「、、、、どちら様、、、?」
俺が首を傾げると、彼女も同時に首を傾げる。試しに手を振ると、同時に彼女も手を振った。
恐る恐る自分の胸を見ると、慎ましやかながらもしっかりとした膨らみが。
「、、、、まじかぁぁぁ、え、、、、」
そして、じわじわと滲んでくる感情を処理しきれず、思いっきり叫んだ。
「、、、おっっしゃぁぁぁぁああ!!!これで合法じゃぁ!」
「うるっさぁぁ!」
ちなみに、このマンションの隣の部屋は文見の家である。
適当にパジャマを着直し、ドダダダと階段をおりたらドアを思いっきり開ける。
そして、廊下を走り隣のドアをまたもや思いっきり開けて
「文見好きだ結婚するぞ!」
「いやぁぁあ!!!二堂が女になった上にご乱心なんだけど!?!?」
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