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継承編 第4話 “喜び”は微笑む
夜の中、エクステラは夜風にあたっていた。
「はぁ、やっぱり言うべきなのかな…」
星空を見上げながら、一人思いふけっていた。
両手を空に掲げ、見上げる。
(私にはみんなに言えない秘密がある。それはとても儚くて、素敵で、幸せな、夢物語。)
目を瞑り、積み上げてきたものを感じる。いつもよりも悲しく、重く、過去は圧し掛かる
(それでも私は羽ばたかなければいけない。目の前の幸せすら儚くて、脆い。永遠のハッピーエンドっていうのは犠牲が付き物。)
「私が…みんなを幸せに…しなくちゃ…」
エクステラは少し微笑み、決意を決めた。
「だって、私は“喜び”なんだから!」
あの人が好きだった私の笑顔は月光に照らされて、より一層に輝く。
(それは一時の私の幸せでした。)