継承編 第2話 代償と覚悟
俺は未離を連れて研究室へ帰ってきた。
「おお、無事に帰ってきたか。」
「ああ、エクステラはどこに?」
「今は私が頼んだ用事で出ている。」
未離は俺の腕を掴んだまま離そうとはしない。
「まぁ、オリジナルを取り返せたんだ。それで十分だ。私ならそんな“気“はしないだろうが…」
その時、エクステラが帰ってきた。
「たっだいまー!」
元気よく帰ってきたエクステラは未離を見ると駆け寄ってきた。
「わぁ、大丈夫だった?怖くなかった?」
笑顔で詰め寄るエクステラに未離は若干引いているようにも見えた。
「そんなことよりだ、エクステラ。ちゃんとやって来たか?」
「うん。まぁ、一緒に行動することになっちゃったけど大丈夫かな。」
「ああ、問題はない。」
そこへ白いローブの女性が現れた。
「私たちは運命に抗わなければならない、ミナだ、よろしく。」
彼女からは不思議な感覚を覚える。
「さて始めなければならないな。力の継承を…」
それから少し経って、エクステラは一人でたたずんでいた。
「ちょっとやりすぎちゃったかな。」
強いめまいを覚えながら、エクステラは座り込む。
「でも、私は決めたの。私は救われなくても、みんなを幸せに導くって…」
エクステラはどこか空を見つめそう誓った。