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プロローグ

気が付くと、何もない白い空間にいた。見ているだけで気が遠くなっていく。ふと足元を見ていると自分の体が見えない。まるで自分がこの白に溶けていくような感覚だ。そんな虚ろな気持ちの中、自分の心が無くなっていくような不思議な虚無感を感じ、意識が消えていった。



一人の男がショッピングモールのベンチに座っていた。

「お兄ちゃん!」

一人の少女が男に声をかける。

「何だ?そんなに急いで。」

「こっちに来て!」

服を引っ張られながら着いた先は衣服店だった。

「私ってどんなのが似合うと思う?」

少女はそう聞いてきた。

「未離が喜ぶならどんなものでも文句は言わないぞ。」

そう言うと未離は頬を膨らませて軽くたたいてきた。

「お兄ちゃんはいつもそうなんだから!自分は見た目なんか気にしないだろうけど、私だって立派な女の子なんだからね!ちょっとは…その、気にしてよね。」

未離は腕を組んでそっぽを向いた。

「はぁ、分かったよ。今度こそはきちんとお前を見てやる。ほら、だから機嫌を直してくれ。」

「まぁ、いいけど。お兄ちゃんはいつもそう言って…」

その瞬間信じられないことが起こった。未離の体が徐々に薄くなっていった。

「お兄ちゃん!」

未離はこちらに手を伸ばす。

「未離!」

そう叫んで手を伸ばしたが、彼女はもうそこにはいなかった。


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