僕が某競走馬美少女化ゲームから競馬にハマるまで
競馬のゲームたーのしー!
ある日、某動画アプリで動画を観ようとしたらある広告が流れてきた。
その内容は競走馬を美少女化させたスマホゲーム、というものだった。
最初は「ほへぇー」と間抜け面をしながら観ていたのだが、「競走馬を美少女化……悪くないな」と広告が終わったあとに思い立ち、そのゲームアプリをインストールし始めてみることに。
結果、ドハマりした。底なし沼の始まりである。
美少女化した競走馬を育成してレースを勝たせていき、物語を進めていくというのがそのゲームの基本的な遊び方なのだが、個人的には育成中の物語で毎回尊さのあまり死にそうになっていた。
名前は伏せて漢字で表すが、特に『歌劇王』と称された子が自分の性癖というか、憧憬に刺さりすぎていた。
超が付くほどのナルシスト且つ自信家で、けれどもそんな性格に恥じないような努力家で。まさに僕が夢見たキャラクターのひとりだった。育成は何度も躓いてしまっていたが。
そんな彼女はある競走馬がモデルとなっているキャラクターだった。
――彼女の原典を少しでも知りたい。そう思って、彼女の元ネタとなった競走馬をインターネットで検索したところ。
驚かされた。思わず心が熱くなってしまった。
その競走馬から出てくる物語は、僕の想像を遥かに超えていた。
「競走馬にはこれほどの物語が秘められていたのか」
僕の内心はそれでいっぱいだった。
「他にも調べてみれば面白いネタが見つかるのでは?」
さらに興味を持った競走馬を検索していく。
栄光を掴んだ英雄のような史実もあれば、真逆にあと少しのところで敗れ去った実力馬もいた。
人気馬の快挙を阻み、悪役視された馬もいた。遥か格上の相手に挑み、下剋上を成し遂げた馬もいた。
様々な馬の、様々な歴史があったのだ。
調べた中で個人的に響いた物語は競走馬の名前は伏せるが、『貴公子』と謳われた馬の悲劇である。
その馬は数多の強敵を打ち破り、数多の栄光を掴み取ってみせた。
しかし、あるレースで彼は故障し、予後不良――つまりは安楽死処置となってしまった。
僕はこの悲劇を調べたとき、競走馬の歴史の美しさと悲しさの片鱗を知ることとなる。
このように、競走馬にも物語があると知ってしまえば、あとは底なし沼に落ち続けるだけだった。
結果として、暇があればスマホ片手に競走馬の物語を調べるようになり、スマホを触る時間が増えてしまった。
しかし悔いはない。今日も競馬のゲームをしながら、物語に浸る日である。
推している馬とかがいたらとことん推しまくるんだぞ!(無茶)