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アナタと私  作者: 猫夢(にゃむ)
5/8

裏と表

二話連続投稿です!

今回少し重めの話になります。

なんで・・・なんで、この人がここに・・・。

体が思うように動かない。怖い怖いこわい・・・っ


「この厄病神め、あんたが居るから翼までもっ・・・」


バシッ


廊下に響きわたるビンタの音

そして、私だけに伝わる痛みと恐怖

あのときと同じ・・・。


優「・・・ご、ごめんなさ、い・・・ごめんなさい・・・・」


「ふんっ、いいかい?一緒に住まわせる条件として、言ったろ?翼や刹那に何かあったら許さないってね?あんた何か早くぽっくりといっちまいな」


神埼「・・・何方存知あげませんが、それ以上優ちゃんの悪口言うならアタシが黙って居ないわよ・・・おばあさん?」


いけない、彼までも巻き込むわけには・・・・!


優「大丈夫・・だから、これは私の・・・問題なのっ」


神埼「優ちゃん・・・」


優「神埼くんは先に翼の病室に行ってて・・・?」


神埼「・・・っ、わかったわ・・何かあればすぐに呼んで頂戴」


優「・・うん」


そう約束し、307号室へ入っていった。

安心して話せる


優「お、お久しぶりです・・・おばあ様」


「ふん・・・あんたと話す義理はないねぇ」


立花 八重

優の父、立花 健次郎の母にあたる存在

立花家の決まりごとに兎に角口がうるさく、一度でも害をみなした相手は例え孫でも容赦しない人

とても厳しいお方。


優「今回、翼が怪我したこともちゃんとみて居られない私の責任です・・・ですが、お願いです。どうか、どうかせめて私が高校卒業するまでは二人を取らないでください・・・」


中学のころからの八重おばあ様に対する癖の土下座

精神誠意込めてやってしまう悪い癖

どうせ自分は底辺の人間なんだから仕方ないそう思っていたのがなかなか抜けない


八重「あんた土下座すれば何でも許されると思っていたらおお間違えだよ、もう我慢の限界だったのさ。いいかい?中学のころあんたが仕出かしたことで会社の契約がいくつなくなったのかわからないのかい?膨大の額の利益を失ったんだよ?普通ならそういう奴はみな首吊りとかやって落とし前つけるのが当たり前なんだよ?健次郎が永久追放という形を取ったから大目に見たものを・・・」


もう数年経つというのにこの人の畏れは未だに膨大過ぎる・・・。

ボキっ・・・と心にヒビが入っていくのがわかる

今までがとても幸せだったんだな・・・。


刹那「!!!・・おばちゃん!・・何この状況」


優「あっ・・・お姉ちゃん」


刹那「また酷いことされたの?大丈夫?」


八重「・・・そんな厄病神放っておきな。あんたも翼みたいに酷いめに合うよ・・」


刹那「なにそれ、まだ優のあのこと根に持ってんの?あれは冤罪だったじゃん。もう許してあげなよ」


八重「甘ったれたこと抜かすんじゃないよ、刹那。」


刹那「・・・!」


八重「あんただってこの裏切り者のせいで、どんなに苦しい思いしたかわかってんだろ?」


刹那「そ、それは・・・」


八重「・・・この処罰は追って伝える。あんたらもよく考えな」


そう言っておばあちゃんは病院を後にした。

居ると居ないとじゃ全く空気の重さが違う


優「お姉ちゃんごめ・・・」


刹那「いいんだよ・・・私こそまた守れなかった・・・ごめん」


そう言ってお姉ちゃんは優しく抱きしめてくれた

私はそれに甘えて胸元で涙した。


間。


刹那「じゃ、翼のところへ行こうか」


優「・・・うん」


307号室



翼「あっ、優お姉ちゃんに刹那お姉ちゃん~!」


そこには痛々しい傷を負っても元気な翼がいた、ほっとする


神谷「あ、あの!マジすいませんでした・・・俺の落し物探すの付き合ったせいで・・こんな」


同じ制服・・・しかも同学年


刹那「いや、怪我した直後凄くいい応急処置してくれたって医者から聞いたよありがと」


神谷「い、いや・・・あれはたまたま親が休みだったので」


神埼「でも、まさか翼ちゃんと一緒にいるのがアナタとはね~驚いたわ」


優「・・・知り合いなの?」


神埼「そうよ、同じクラs・・・・ってやだ目真っ赤!ほらこっち来て!冷やすわよ・・!」


優「えっ、ちょっと・・・」



神谷「・・・・・・・」チラ


刹那「君名前は?」


神谷「あっ、えっと・・・神谷 狼牙です。」


刹那「お家の電話番号とか聞いても大丈夫かな?退院したら翼連れてお礼に伺いたいんだ」


神谷「お、お礼とか・・・その全然大丈夫ですよ・・?」


刹那「迷惑だったか、な?」


神谷「い、いいえ!とんでもないです・・!」


翼「狼牙くん凄い顔真っ赤~ふふ」


神谷「なっ!誰が真っ赤だ!真っ赤!!」


こんな楽しくて賑やかな

ふんわかと優しい時間は永遠には訪れないのだった・・・・。


翌日。


学校に着きいつものように過ごせるかと思いきや

そうではなかった。

教室までの間周りの生徒にジロジロ見られるなり、会話をされた


「あの子でしょ・・中学のころ、クラスのお金持ちのこの財布からお金盗んだ子」

「えーなにそれマジ?最悪じゃん」


な、なんで・・・・そのことを・・・。

誰も進路を決めてない高校をわざわざ探して入学したのに

だから今日は、こんなにもみんなに見られてたのか。

とりあえず・・・教室に・・・。


教室


ざわざわ・・・クスクス


滝沢「ねぇー聞いた?立花って中学のころ金持ちの生徒の財布から大金盗んだんだってwww」


「うそ、まじ??」

「だからあんなに大人しかったんだ・・・」

「私も盗まれないようにしないと」

「いやwあんたの財布の中身は大丈夫でしょwww」

「はぁ?ひどww」


滝沢 美奈子

Bクラスで女子を仕切っている存在

家柄はもちろんよく、美女と男子からはよく言われてモテているけど

性格はブス過ぎるくらい。昔はめっちゃ太っていたことがコンプレックス


滝沢「本人ご登場~w」


立花「その噂広めているの・・・滝沢さんなの・・・?」


滝沢「噂?ホントのことじゃーんwあとさ、勝手に人の名前気安く呼ぶのやめてくんない?犯罪者」


立花「ち、違う!私は巻き込まれただけ!!!!やってない!」


あぁ・・駄目だ。もうこの学校に居場所なんてない、なくったも同然だ・・・。

やだな・・・・なんでこう嫌なこと続きなの・・・。



神谷(今日だりぃな~ってあれ、立花・・・これやばくね?!とりあえず神埼に連絡!)



滝沢「最近よくつるんでる神埼とかさ?セフレなんでしょ?wそんな顔してやるねw」


やっぱり私厄病神だ・・・すぐ人を関係のない人を巻き込んじゃうし

気づいたら廊下に野次だらけだし・・・。


でも許せないな・・・彼のこと悪くいうのは、

例え私が冤罪だとしてもこんな噂があるのも知らずに、私のことを好きになってくれて

友達から様子見って考えも受け止めてくれて、学校では見せない一面とか諸々知らないくせに・・・


立花「神埼くんの悪口は言わないで!!!!!」


気づけば滝沢さんを押し倒し、上に跨っていた。

それに驚いたのかあんぐり開けた状態でクラスのみんなは唖然して固まっていた

廊下の野次は盛り上がっていた


滝沢「はぁぁあ?!うるさい!どけ!犯罪者め!!」


立花「退かない!!!訂正してくれるまでは!」


滝沢さんは私の頬を殴るなり抵抗をしてくる

次第には殴られた打撲痕などが多数出来ていた

でもこんなの八重おばあ様にされたのとじゃ比べ物にならない軽さ


滝沢「っ、わかったわよ・・・訂正するから退いて」


立花「よ、良かった・・・」


安堵したのか、その場に倒れこもうとしていた


神埼「あぁもう!ちょっと通して!!」


ドサっ


神埼「無理し過ぎよ・・・女の子なんだから体大切にしないと・・・・」


立花「・・・ごめん・・・」


神埼くんは私を持ち上げた



神埼「・・・今度優ちゃんに何かしたら許さない・・・・っ」


そこから記憶はなく

目が覚めると保健室のベッドの上だった。

外はもう放課後・・・隣には手を握りしめた状態でうたたねをしている神埼くんの姿だった


立花「・・・風邪引くよ」


神埼「んっ・・・起きて大丈夫なの優ちゃん!?」


立花「少し痛むけど多分大丈夫・・・ありがとう」


神埼「どういたしまして」


隣には彼がいて

心から幸せと感じられる時間が永遠に続けばいいのに、と思った

それにはしっかりとあのことを言わないと、な。



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