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第九話 魔法の町より謎スキル?

「さてさて、ここでいいよな?」


 魔法の町「マジーア」の中央広場の噴水にて待っているのが俺だ。なんというか、既視感を覚えるが気のせいだと思いたい。

 魔法の街なだけあって通る人の多くは魔法職と思われる人達だ。中にはそれ以外の人もいるが、恐らく護衛か仲間、もしくは武器と魔法を絡めて戦う人達だろう。ただ魔法戦士はロマンはあるが、大体器用貧乏なんだよな。不遇になることも多い職だ。このゲームでは詠唱の際に装備や職によってデメリットがかかることは無いので、比較的ポピュラーな戦い方だ。パラメータの振り方には悩むそうだが。


「ごめん、ごめん。待たせちゃった?」

「いや、今来たばかりだぜ」


 さて、サキと合流したので今回は魔法の町を回る。ただ問題がある。割りと切実な問題が。


「金がない……」

「私は初期組だし、新参者を迎えてあげる気持ちで魔法書の一つや二つぐらいあげてもいいよ?」

「ほ、本当か!?」

「別にいいわよ、私は盾職だから魔法はせいぜい回復魔法ぐらいしか使わないし」

「やったー!」


 ということで、サキから魔法書を頂くことになったのだが。


「マジーアにサキの家があって良かったけどさ、なんでこんなに武骨な家なんだよ……」

「ご、ごめんね?」


 予想と真逆だった。サキのことだから、盾職でもふんわりガーリーな感じだと思ったのに。


「と、とりあえず、渡せる魔法書はこんな感じかな?」


 そういって机の上に置いたのは二十冊ほどの魔法書だった。やけに多い気がする。


「なんか勿体無い精神が働いちゃって」

「そ、そうか」


 とりあえず物色することにしよう。


 ーーー


 結果、取り分けたところ攻撃系の魔法書が七つ、回復系が六つ、補助系が五つ、そして……。


「この謎スキルの魔法書二つ、か……」

「そうなんだよね、倉庫の肥やしになってたものだし」


 そのスキルは「トラベル流格闘術」と「魔眼」というものだった。どちらも聞いたことの無いスキルだった。攻略サイトにも乗っていないようなものだった。

 ただ、トラベル流格闘術には少しばかりあてがあった。トラベルとは英語で旅行を意味する言葉だったはずだ。そして、ゲーム世界では有名どころの伝説の格闘家とされる四名の格闘家のうち、トラベルという西の格闘家がいたそうだ。彼は旅が大好きで世界中を回るうちに力の無い人が武具がなくとも戦えるように生み出したらしい。

 このトラベルという人物自体は攻略サイトにも存在した。なんせ伝説の格闘家だからな。ただ……。


「どこで手に入れたんだ?」

「遺品調査のクエストで手に入ったよ? 旅に出た息子の行方を探すっていうもの」

「あれだろ、もう息子死んでるじゃん系のクエストだろ」


 どうやら旅に出ていた息子はトラベル流格闘術を学んでいたんだろうな。しかし、技術の使い方か相手が悪かったかで亡くなってしまったというやつか。

 まぁ、聞いたことの無いスキルだった理由がなんとなく分かったぞ。


「多分、世界中を旅していたから弟子入りしてしっかり学ぶことが出来なかったから、事実上たった一代の格闘家の格闘術になって、廃れたんだろうな」

「それで間違いないと思うよ」


 さて、次は魔眼だ。案外使っている人は多そうだけど……。

 あれかな? 魔眼なだけあって目を合わせていないと発動しないとかなのかな? 謎だ。

 とはいえ、俺はこの二つを貰おうと思う。


「頑張って活用してね」

「おうよ」


 という訳で俺のスキルが増えたのだった。

あれ、いつの間にかスキルメインのお話になってたよ? あれれ?

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