第六話 初めてのご飯
サブタイトル名を魔法の街から初めてのご飯に変えました。
よくよく考えたら魔法の街の描写はほとんどしてないので……。
「思ったよりも足が速いな……」
始まりの都「アンファング」を出て大体三十分が経過した頃。
俺は東に向かっていた。その理由は大きく二つ。
一つは、俺の旅人のスキルを上げるため。
もう一つは、アンファングより東に、魔法の町「マジーア」という町があるからだ。
俺は魔法に非常に興味をもった。
何せ、武器もまともに使えない旅人には攻撃手段がなく、もしも魔物に遭ったとき、逃げるしかないからだ。
出来るだけ、出来ることは増やしておきたい。器用貧乏と言われようとも。
ちなみに、マジーアとはイタリア語で魔法という意味だそうだ。どうやらそれらしい名前をつけるのが好きなようだな。
「おっ、青い看板が見えてきた。都の人が言っていたのはここのことだろうな。
確か、ここを右に行けばいいんだよな……」
行く前に都の人に聞いておいて正解だったな……。
そして、もう一時間ほど経過したところで。
「着いた! 魔法の町マジーア!」
無事に到着することが出来た。
ーーー
(ぐ~きゅるるるる……)
「お腹すいたなぁ……」
そういえば、昼食べてなかったな……。
女になって初めての食事をするか。どのくらい食べられるか分かんないけど。
とりあえず何を食べようか……。ご飯は朝炊いておいたからあるけど……冷蔵庫は卵と調味料しかないか。今日買いに行くとしようか。
さて、卵とご飯か。よし、簡単に作れる目玉焼きご飯を作ろう。
俺、女になってるから卵は一つで十分かな?
まずは皿にご飯を盛り付ける。平皿がオススメだ。皿全体にご飯が広がる様に盛り付ける。
次に目玉焼きを焼く。特に説明はいらんだろう。
最後に目玉焼きをご飯に乗っけて、お好みで醤油と胡椒をかけて出来上がり。
さてさて、女になって初めての料理、上手くいっただろうか?
「……うん、いつもと変わらない旨さだ」
無事に出来たのでよかった。生活に支障は今すぐには出なさそうだ。
……と、思ったが。
「食べきれたけど……多いな、意外と」
男の時より食べる量は減ってしまっていた。
ーーー
一時間後。
「そろそろ買い物にいくか」
あまりにも食材が無かったので買いに出ることにした。
髪はポニーテールにして、Tシャツとジーパン姿になる。ちなみに、部屋ではジャージだぞ。
何を買っておこうか。
肉か魚かどっちにしようか……でも、今は夏だからそんなに量は買えないな。
そんなことを考えながら俺は家から出た。
……この時、俺は気づいていなかった。近所に住む幼馴染みが見ていたことを。俺が、家から出るところを。
「水くんの家から、知らない女の子が出てきたんだけど……?
どういうこと?」
作中で出てきた目玉焼きご飯。
たまに作って食べています。