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第二話 女になっちまった!?

 ……どれくらい眠っていたのだろうか。

 なんだか全身が軽くてふわふわする。

 不思議な感じだ。体を伸ばして、眠気を覚ます。


「さーて、はじめますか……あれっ?」


 声が……高い……!?

 お、おかしい。そんなことは……。


「ありえ……ふぇ!?マジで!」


 どうしよう。どうしよう! どうしよう!?

 もう訳わかんない!


「お、女の声……と、とりあえず鏡を見ないと!」


 俺は急いで洗面台に向かう。そこにある鏡に写っていた姿は。


 肩まで伸びた赤みがかった黒髪。

 ほっそりとしながらも、主張を忘れない体。

 驚きを張り付けた赤みがかった黒い目をした美少女の顔。


 そこには、まごうことなき美少女が写っていた。

 嘘みたいなので頬をつねる。痛い。

 えっ、現実? んな馬鹿な。あっ、でも鏡に写っている少女、涙目、えっ、マジで?(困惑)


「はぁ……マジかぁ……」


 可愛らしい声が俺の口から溢れでる。

 本当に女になっちまったんだなぁ……いや、待てよ?

 逆に考えるんだ。俺は人生一度きりにも関わらず両方の性として生きていることになる。うわぁ、俺人生経験豊富ー(棒)。

 ……と、とりあえず体を確認しよう。

 身長は160cmといったところか、それなりにはあるんだな。

 ……男の時よりたった2cm縮んだだけって、俺、やっぱり小さかったのかなぁ……つらい。

 バストは……どのくらいだ?とりあえず大きいことは分かるが……CとかDぐらいかな? 十分大きいんだけど。

 うわ、ウエスト細いなぁ。けれどもヒップはしっかりある。あれだ。ボン・キュッ・ボーンの体型だ。親父が言っていた男のロマンってやつはこういうことか。確かに抜群のスタイルだ。


「やっぱり連絡しないといけないかなぁ……」


 30分後、俺はそう呟いた。

 こんな緊急事態、連絡しないといけないんだろうが、気が進まない。

 親の反応よりも、親に心配かけるのが不安だ。俺を置いて二人で出張していったが、仕送りもするし、わざわざ手紙を寄越すほどには気にかけてくれる両親なのだ。

 そんな両親が俺の今の状況を聞いたら、飛んで帰ってくるに違いない。だが、俺はそんな迷惑はかけたくないんだ。


「どうしたもんかなぁ……」


 そんな俺の下に一通のLINEが届く。親友の(オサム)からだ。思えば俺もあいつも変わった名前だよなぁ。

 それで、内容はこうだ。

 あいつ曰くログインはまだかと。

 そういやもう1時だ。早くログインしなければ。

 惣に遅れてすまんとLINEで伝えてから、急いでログインの準備をする。

 性転換したことは、頭の隅に放っておいて。

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