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第十八話 VS アルラウネ

 ズドーンと、轟音が森に響く。

 俺の放った内衝拳の初撃の勢いと、その後の内側からの衝撃に耐えられなかったアルラウネの体は、大きく後方へ吹き飛ばされた。

 やり過ぎた感があるし、後ろの皆からの視線が正直、痛い。ドン引きされている気がする。

 後悔はしているから。反省はしてないけど。


「……ちょ、ちょっと、いきなり何すんの……ぁああ、まってまってまって!?!?」

「問答無用!」


 何かアルラウネがいった気がするけど、問答無用で二発目を打ち込む。

 咄嗟にガードをとったのか、先程よりかは持ちこたえている。


「何なの、この威力!?頭いかれているんじゃないの!?」


 なんか頭いかれてるとか言われた。仕方ないからもっと殴る。


「あぁあぁぁああぁ、もういやぁぁぁああ!!」

「……俺たちが悪い気がしてきた」

「気のせいよ……私たちが悪いんじゃないわ。ミナさんだけが悪いわ」

「……すまん、ミナ。フォロー出来ない」


──


「おらおら!まだまだいくぜ!」

「あぁもうっ!勘弁してよね!ソーン・ウィップ!」


 そうアルラウネが言うと、茨の蔦が襲ってきた。

 茨の棘で手が痛いが、我が儘いっていられないので、裏拳で内衝拳を放ち、足で内衝拳の蹴りverである内衝脚を放ち、蔦を弾いていく。

 それを見ているアルラウネが信じられないものを見たという顔をしているが、これは真実だからどうしようもない。自分で言っているのに、何故か悲しくなるが。


「おかしいわね……いつもより蔦が少ない?」

「私にも使わせてもらいますよ!ソーン・ウィップ!」

「ナイス、ラウさん!」


 ラウさんが植物の一部支配に成功したのか、相手のソーン・ウィップの威力を下げ、自分のものにしていた。

 卷族が牙を向けてきたのだから、アルラウネにとっては驚きかもしれない。


「うっそ!?まだ、卷族化して一月も経っていないはずなのに!?」


 どうやら予想以上にラウさんが卷族の力を扱えることに、驚いたようだ。

 だが、ラウさんは森のなかにアルラウネと化してからずっといたので、当然、卷族としての能力は身に付けていてもおかしくはないはずだ。

 アルラウネが今、苦労している原因は、俺とラウさんに終着しているだろう。


「……!」

「がっ!?はぁ、はぁ……後ろからも来るなんて……」


 突如としてアルラウネの背中に暗器が刺さった。

 ヤコウさんだ。

 ヤコウさんの得意とする、死角からの奇襲攻撃。それが今の状況の中で追加されれば、アルラウネは手も足もでなくなるだろう。

 さーて、容赦はしないぜ?アルラウネ。

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