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第十七話 開戦

 パーティーにラウさんが加わったあと、メンバー全員でフレンド登録をする。これで、今後何かあったときに連絡できるな。


 パーティーがこのゲームでの一パーティーの最大人数、6人になったところで、この森の最奥にいるアルラウネに挑む。そもそも、この森の攻略が本来の目的だったしな。


「じゃあ、いくぞ」

「了解」「もちろんよ」「分かりました」「おうよー」「お願いします!」


 俺たちが進んでいくと、日の光が届かない開けた場所に、一輪の大きな花が咲いていた。まぁ、俺たちには正体がばれているので意味ないが、アルラウネの擬態だろう。

 この擬態に気づけなかったからではあるが、ラウさんをアルラウネに変えた犯人がそこにいるとは、知らなければ警戒できないだろう。


「……あら、気づいているのね?」


 大輪の花から声が聞こえた後、その花びらが開かれていく。その真ん中にいたのは、ラウさんの姿を変えた犯人、アルラウネであった。


「まぁ、何人でこようとも、そう易々とは私の目的、邪魔させないからね?」

「知ったことか!」


 俺は思わず、目の前のアルラウネに対して啖呵を切る。

 オサムたちを驚いて、暫し呆然としていたが、すぐに再起動したオサムが俺に相手を挑発しないよう、落ち着けと言ってきた。


 何故だか落ち着く気にはなれない。しかし、このアルラウネを倒すために来たのだからやることはひとつ。


「アルラウネ、ラウさんの姿を戻す気はあるか?」


 そう俺が聞くと、アルラウネは少し嗜虐的な笑みを浮かべると、こういいはなった。


「ないに決まってるじゃない! 折角の卷族なんだからね!」


 ということなので、俺たちのやることは決まった。元々こうするつもりであったとはいえ、反省の色が見えないので俺たちは我慢できずに怒りや恨みを向けてしまう。

 反省は大切だよ? 時には自分の命すら守ることになるのだからね?


 それじゃあアルラウネ。たっぷり味あわせてやろうじゃあないか。魔眼込みの殴打を何発も味あわせてやろうじゃあないか。


「えーと、私と戦うってことか──」「魔眼:威圧」


 即座にアルラウネの動きを止める。

 オサムが前に出て、ヤコウさんが影に隠れ、リリアさんが火属性魔法の詠唱を始め、ライナさんがいつでも対応できるように構え、ラウさんが周囲の植物を支配していく。

 そして俺は──


「トラベル流格闘術:三の形、内衝拳!」


 拳で思いっきり殴り飛ばした。

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