第十六話 パーティーで迷いの森
「……どうしたものか」
「えーと……」
「なんと、いいますか……」
「……ミナ」
……どうも、ミナです。今、何故か心が痛いです。
──
「なぁミナ、いつもはどんな風に戦っているか見せてくれないか?」
きっかけはオサムのこの一言だった。まぁ、当然の質問だった。
俺はいつもソロでやっていたから、パーティープレイの時、どんな風に動くかで生存率も変わってくるからな。
だから、試しに森にいるゴブリン五体の固まりがいたから一人で戦った。
……ああ、戦ったんだよ? それがさ……。
「魔眼で動きを止めたところを」
「容赦なく殴りかかって」
「戦意を無くしたゴブリンたちをちぎってはなげ、ちぎってはなげ」
「お前、どこのグラップラーだよ?」
……この扱いである。
──
で、ゴブリン共を蹴散らしながら、ラウさんと出会うきっかけ(?)になった祠のある場所にたどり着いた。
「こんなところに祠があるんだな」
オサムたちが祠を調べている間に、ラウさんの痕跡を探す。ラウさんがログインしていたら、植物を伸ばしているかもしれないしな。
「ミナ、何して……うわぁ!?」
あっ。
「助けてくれぇぇ……」
オサム、多分ラウさんに連れていかれたな……。
──
予想通り、オサムはラウさんに連れていかれていた。ラウさんはすごく申し訳なさそうにしていたけど、俺としてはグラップラー扱いされたので凄くスッキリした。
「紹介するよ、アルラウネのラウさんだ」
「は、初めまして……」
とりあえず、挨拶を終えたのでラウさんに色々質問したいと思う。
「ラウさんは何が得意なんだ?」
「そうですね……」
ラウさんの話を要約するとこうだ。
本来のジョブは狩人で、弓を得意としていたそう。アルラウネになった今は、弓と共にアルラウネの能力を使って遠近両方で戦えるそう。移動に関しては足を使うことが出来るので、問題ないとのこと。
結論からいうと……。
「ラウさん、間違いなく強いよね」
「そうですか……?」
「遠近両方に対応できて、植物を使って搦め手も出来るとなると、かなり強力な能力だな……」
「極端な環境だと、かなりつらそうだけどね」
ラウさんは自覚のない最強候補だったのか……。
「ミナ」
「何だよオサム?」
「お前の能力もかなりヤバイからな?」
えー、そんなことないと思うんだけどなー?




