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第十四話 この体について

「はい、それでは診察、始めますね」

「お、お願いします」


 何故、俺が今、診察を受けているのか。その理由は大体二時間前の出来事にある───


 *二時間前*


 ログアウトした俺は、流石にそろそろ親に相談するべきなんじゃないかと思った。女になって三日も経っている訳だし。幸い学生の俺は夏休みなので、時間はたっぷりある。

 というわけで親に連絡する。こういうときには本当にLINEは便利だな、と思う。


 連絡した結果をかいつまんで話すと、まず、女になったことには驚かれたが、問題無さそうなので良かった、とのこと。余計な心配はかけずにすんだ。次に、学校への連絡はしておくとのこと。まぁ、妥当ではある。最後に、病院で一応診察してもらうこと、とのこと。


 *現在*


 ということで、今に至る。とりあえず診察の結果は正常な女の子とのこと。とはいえ、性転換しているので、TS症候群患者の手当を受けることになった。まぁ、事実だしね。


 さてさて、診察も終わったことだし、昼飯を食べてゲームにログインするとしますかね。


「スキルにSP割り振るか」


 今回、俺はSPを割り振ることで、スキルを成長させる。取得以外にもSPを使えるのだ。

 というわけで、割り振った結果がこちら。


スキル SP:5

旅歩きLv.5 走法Lv.10 登山Lv.1 水泳Lv.1 操縦Lv.1 料理Lv.11 採取Lv.3 採掘Lv.1 釣りLv.1 サバイバルLv.8 救命Lv.3 言語Lv.1 隠密Lv.11 毒物処理Lv.1 鑑定Lv.8 暗視Lv.1 トラベル流格闘術Lv.23 魔眼Lv.15 軽業Lv.10


 思いきって、料理と魔眼を5、隠密とトラベル流格闘術を10成長させた。これで俺の戦闘力も上がったから、生存も楽になる……はず。

 SPを割り振ると、何だか体が軽く感じる。トラベル流格闘術の影響だろうか?

 違和感をもった俺は、検証を兼ねてゴブリン共との再戦に挑もうと思う。ラウさんを連れていこうと思ったが、ログアウトしていたので一人で挑むことにする。


 だが、その前にゲーム内での食事を行おうと思う。腹が減っては戦は出来ぬという諺があるように、今のゲーム内の俺は空腹の状態だ。因みに放置していると餓死する。怖い。


 採取と鑑定で、安全かつ美味しい果実を薄切りにし、持っていたパンに挟む。簡単な料理だが、スキルの影響か、普通よりも美味しそうで綺麗なサンドイッチが出来た。

 ……一つ疑問があるとすれば、料理をしようと思うと、自動で料理スキルが働いたのだが、突如どこからともなく、包丁とまな板が出てきたのだった。比喩ではなく、実際に起きたので非常にビックリした。何故こんなことが……。


 ということで、甘くて美味しいサンドイッチを食べた俺は森のゴブリンに再戦を挑む。

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