アンブリアメンテ 【選ばれたピアニスト】 7
[セフィル]:「ピアノも良い人材を選んだもんだ」
[吹雪]:「ありがとうございます」
[セフィル]:「唱えられるならそこまで苦労はしないかもしれないな。君に唱えてほしいのは、光魔法なんだ。ホーリーカルムという魔法を知っているか?」
[吹雪]:「ホーリーカルム?」
[セフィル]:「ああ。うーん、何と説明すればいいのか、簡単に言うと、能力を分け与える感じか? マジックコロシアムで君が使った魔法と逆と考えるのがいいかもしれない」
[吹雪]:「逆ですか」
セイクリッドスパークルは全てを打ち消す効果を持つ技、とするとホーリーカルムは俺の力を四人に与えるってわけか。
[セフィル]:「始めに言っておくと、かなりの魔力を必要とする。普通の供給魔法とは種類が違うからな。君の前にハーモニクサーを担当してくれた者たちは終わった後にかなり疲労していた。いつだったか、唱え終わって保健室に行った者もいたな」
[吹雪]:「本当ですか?」
[セフィル]:「うん、本当だ」
それは、相当だな。
[セフィル]:「自分の力を分け与えるわけだからな。打ち消すよりも疲れるのは当然と言えば当然だ。大変なのは、その状態をキープするってことだろう」
[吹雪]:「キープか……」
[セフィル]:「だがまあ、吹雪は素質持ちだ。他の者たちよりも楽にできるかもしれないがな」
[吹雪]:「いや、それはないですよ」
選ばれるだけの実力を持ってる人が疲労してるわけだ。俺も例外じゃないはず。
[セフィル]:「とりあえずは、吹雪の魔力が現時点でどれだけあるかを知らなければならないな。ちょっと見せてもらえるか?」
[吹雪]:「え? いいですけど、どうやってですか?」
[セフィル]:「まあ、そこに立っていてくれ」
[吹雪]:「は、はい」
言われたとおりにすると、学園長は俺に近づいてきた。
[セフィル]:「目を閉じろ」
[吹雪]:「はい」
[繭子]:「わー、ドキドキイベントの予感」(繭子)
[聖奈美]:「先生、少し静かに」
[繭子]:「はーい」
[セフィル]:「…………」
[吹雪]:「…………」
……………………。
[セフィル]:「うむ、なるほど。いいぞ、吹雪」
[吹雪]:「あ、はい」
俺が目を開けると、学園長はうなずいていた。
[セフィル]:「うん、なかなかの魔力を秘めているな。さすが杠を打ち破っただけのことはある」
[聖奈美]:「う……」
[吹雪]:「あ、ありがとうございます」
[セフィル]:「現段階で、75ってところか。後25必要だな」
[吹雪]:「俺の魔力分量ですか?」
[セフィル]:「ああ、平均を50として考えてな」
25と言っていたからホーリーカルムを唱えるには100必要ってことか。




