アンブリアメンテ 【選ばれたピアニスト】 6
[聖奈美]:「基本は午前中、か……」
[セフィル]:「日にちが近くなった時は授業を免除することもあると思う。出席できなかったからと言って評価を下げたりはしないから安心していい。無事にピアノを弾くことだけを考えてくれて構わない」
[繭子]:「うわー、何だかピアニストに選ばれた実感が沸いてきたよ~」
[吹雪]:「なかったのかよ、今まで……」
[セフィル]:「まあ一握りの中の一人に選ばれたわけだからな。無理もないだろう」
[吹雪]:「全力でやれよ? マユ姉」
[繭子]:「もっちろん! ワタシが本気を出せば、さっさっさーと弾いてみせるよー」
例えはよく分かんないけど、それなりにやる気はあるみたいだな。
[セフィル]:「うん、じゃあ次に吹雪の担当するハーモニクサーについて説明しよう」
[吹雪]:「あ、はい」
[セフィル]:「吹雪よ、ハーモニクサーの役割は知っているか?」
[吹雪]:「何となくは。ピアニストのサポートが仕事ですよね?」
[セフィル]:「まあ、端的に言えばそういうことだ。ピアノを弾いている最中に、集中力が途切れて曲調が変化してしまうと、平穏な四季を遅れなくなってしまうかもしれない。それをアシストするのが、ハーモニクサー、吹雪の仕事だ」
[吹雪]:「なるほど」
[セフィル]:「ピアニストはピアニストで練習に励んでもらうわけだが、ハーモニクサーにはハーモニクサーの練習に励んでもらう予定だ」
[吹雪]:「俺は、何をすればいいんでしょうか?」
[セフィル]:「うむ、吹雪には、一つの魔法を拾得してもらいたい」
[吹雪]:「魔法ですか?」
[セフィル]:「そうだ。吹雪は今年のマジックコロシアムの優勝者だ。魔法は得意だろう?」
[吹雪]:「それは、どうなんでしょう? 得意っていうよりは、俺の両親のおかげだと思いますけど」
[セフィル]:「それはそうかもしれんが、実力があることは確かだろう。杠を負かしたわけだからな」
[聖奈美]:「う……」
横にいる杠が小さくダメージを受けていた。
[セフィル]:「杠、吹雪はなかなかの強さだったんだろう?」
学園長、何という質問を……。
[聖奈美]:「そ、そうですね。この学園の中では、それなりの実力は兼ね備えてるんじゃないでしょうか」
[セフィル]:「うむ、だそうだ吹雪。杠がそう言ってるんだ。お前は実力者だぞ」
[吹雪]:「は、はい。ありがとうございます」
[聖奈美]:「次は、絶対負けないわよ……」
杠は小さな声でそうつぶやいた。
[セフィル]:「唱えてもらう魔法なんだが、吹雪は光系魔法は使えるか?」
[吹雪]:「光ですか? 唱えられるのもありますが、あまり得意じゃないです」
光系魔法は他の属性魔法と比べて体力の消耗が激しく、且つ難しい。以前俺が唱えたセイクリッドスパークルも、あの場では成功したけど、何度も何度も失敗した記憶がある。
[セフィル]:「高等魔法だからな。他の属性魔法と比べて数も限られている。普通は唱えられなくてもおかしくはないんだが、お前は使えるのだな」
[吹雪]:「親のおかげですよ、それも」
[セフィル]:「君は謙虚だな。もっと誇ってもいいものを」
[繭子]:「ふーちゃんは昔からこんな感じなんですよー。だから代わりにワタシが誇ってまーす」
[セフィル]:「なるほど、だから学園の知名度が高いんだな、吹雪は」
マユ姉、言い散らしてやがるのか。




