アンブリアメンテ 【選ばれたピアニスト】 5
[舞羽]:「はい、あのメロディーは一つのピアノじゃ奏でられないものです。四つのピアノだからできるメロディー構成でした」
[セフィル]:「うむ、舞羽はよく分かっているな」
[舞羽]:「ありがとうございます」
[セフィル]:「折角だ、去年の生徒が奏でたそれがここにある。一度聞いてみるとしよう」
学園長が音源を機械にセットする。しばらくして、メロディーが流れてきた。
……………………。
何とも言えないような綺麗な音だ。複雑なテンポなんだけども、決してイヤなテンポではない。どこか心が落ち着く柔らかなメロディー。
[繭子]:「すごい、何だか体にすーっと染み込んでくるよ~」
[カホラ]:「ホント、すごくステキ」
[聖奈美]:「でも、かなり難しそうな感じね」
[セフィル]:「そうだな、でも、決してできないものではないはずだ。君たちなら可能だろう」
[舞羽]:「これを私たちが弾くのか」
[吹雪]:「頑張れってしか言えないな、俺には」
[舞羽]:「ふふ、その言葉で十分だよ、吹雪くん」
しばらく、俺たちはピアノの音色に聞き入っていた。
……………………。
[セフィル]:「という感じだ。どうだったかな?」
[舞羽]:「すごかったです。何ていうか、さすが四季のピアノって感じです」
[繭子]:「そうだね~、何だか穏やかになった気がするよ~」
[セフィル]:「良さを分かってくれたか?」
[舞羽]:「はい、とっても」
[セフィル]:「弾く曲は難解だが、音色の良さは本当に素晴らしいんだ」
[舞羽]:「そうですね、他のピアノとは、何か少し違いますよね。何とは言い表せないんですけど」
[セフィル]:「うむ、やはり舞羽は分かっているな。さすがは経験者だ」
[舞羽]:「いえ、そんなことはありませんよ」
舞羽は恥ずかしそうに笑った。
[セフィル]:「今聞いてもらった曲を、四人には弾いてもらう。それに伴って練習スケジュールを決めなくてはいけないな。一応こちら側で仮のスケジュールは立てている。教師たちには君たちを全力でサポートするように伝えてある。だから、なるべくそれに従って君たちには動いてほしい」
[四人]:「はい」
[セフィル]:「一応印刷してある。持っていてくれ」
学園長が用紙を配っていく。




