アンブリアメンテ 【選ばれたピアニスト】 4
[セフィル]:「おっと、本題を忘れるところだった。そろそろ話を戻そうか」
[カホラ]:「お母さん、戻すのが遅いよ」
[セフィル]:「いやいや、つい話がおもしろくなってしまってな」
[カホラ]:「もう、お話なら本題が終わってからでも問題ないでしょう?」
[セフィル]:「うむ、気をつけるとしよう」
こほんと咳払いを一つ挟んだ。
[セフィル]:「えっと、どこまで話したかな?」
[繭子]:「ふーちゃんの名前が難しいってことじゃないですか?」
[吹雪]:「それはもう終わってるんだよ、バカたれ!」
[繭子]:「うひゃううっ!?」
[吹雪]:「吹雪くん、すごい突っ込み……」
[繭子]:「うう、イターイ、身長がさらに縮んじゃうよ……」
[吹雪]:「安心しろ、そこまで低かったら縮んでも分かんない」
[繭子]:「せめて手加減してよー。ふーちゃんが思ってる以上に強力なんだからね」
[吹雪]:「じゃあ、もっと教師らしい振る舞いをするんだな。それができたら手加減手加減してやる」
[繭子]:「う、うにゅう~」
[セフィル]:「大久保弟、いや、もう吹雪でいいか。吹雪は繭子よりも強いのだな」
[カホラ]:「まあ、吹雪はしっかり者だからね」
[吹雪]:「すいませんでした。学園長、話の続きをどうぞ」
[セフィル]:「ああ。えっと、そうだ。四つのピアノを吹雪以外の四人に弾いてもらうというところまで話したんだっけな」
[聖奈美]:「ええ、そうです」
[セフィル]:「そのピアノをどうやって選ぶかだが、自己申告ではもちろんない」
[聖奈美]:「そうでしょうね」
[セフィル]:「というわけで、四人にはこれを渡しておこう」
学園長はみんなに石のようなものを手渡した。
[繭子]:「うわ~、きれい~」
[聖奈美]:「学園長、これは?」
[セフィル]:「宝玉だ。口で説明するのは難しいのだが、ピアノに選ばれた者は、その宝玉が違う形に変化するんだ」
[舞羽]:「変化ですか?」
[セフィル]:「うむ。それは後で自ずと分かるだろう。次に、何を弾くかだが、四人はピアノの経験はあるか?」
[繭子]:「趣味でくらいしかないです~」
[カホラ]:「音楽の授業で少ししか……」
[聖奈美]:「ええ、まあ」
[舞羽]:「あ、私は昔習い事でやってました」
[セフィル]:「なるほど、鍵盤の位置は掴んでいるか?」
[繭子]:「何となくは~」
[聖奈美]:「はい、大丈夫です」
[セフィル]:「それならよかった。何分儀式だからな、少々曲調が難解なものなんだ」
[聖奈美]:「確かに、去年聞きましたけど、すごく複雑なメロディーでしたもんね」
[舞羽]:「でも、すごく綺麗だったな」
[セフィル]:「そう思うか? 舞羽」
舞羽も名前呼びに変わっていた。




