アンダンテ 【吹雪の日常】 7
[繭子]:「日にちは今から一週間後です。絶対に忘れずに来てくださいね」
一週間後か。
[繭子]:「後もう一つあります。少々疲れましたが、頑張って伝えたいと思います」
いや、疲れんの早すぎだろ……。
[繭子]:「近日中にはもう二つ大きな行事があります。何か分かるかな~? シンキングタイムは30秒です」
別にいらないだろ、考える時間なんて。
[繭子]:「はい、時間でーす。じゃあその二つの行事とは何でしょうー? じゃあ、舞ちゃん」
[舞羽]:「あ、はい」
[繭子]:「行事を言ってください」
[舞羽]:「えっと……マジックコロシアムです」
[繭子]:「そう、大正解~。座布団1枚~」
大喜利じゃないだろうがよ……。
[繭子]:「今週の土曜日に、マジックコロシアムが開催されます。みんなもう知ってると思うけど、マジックコロシアムだから、魔法以外は使っちゃだめだからね? 参加を考えてる人はそこを十分注意してね~? ちなみに、優勝するとステキな賞品が送られるから、魔法に自信がある人は是非是非参加してねー? 嫌いなあいつをぶっ飛ばしてやるーとか、ここで活躍すれば女の子はイチコロにぐへへ――とか、そういう邪な考えでもオーケーらしいでーす」
嫌いな奴をっていうのは分かるが、その後のは明らかにおかしいと思うが。そんなフレーズに惹かれる奴なんて――。
[翔]:「女がイチコロ、ふふふ、オレの時代が来たか?」
いやがったぜ、極身近に……。
[繭子]:「ケガには十分注意してくださーい。ではもう一つは何でしょうか? 時間がないので先生が言っちゃいまーす」
最初からそうしてろよな。
[繭子]:「明日は、みんなの頑張ったテストの結果が発表されまーす。パンパカパーン」
クラスメイトはそれぞれ色々な反応を示している。
[舞羽]:「うわー、来ちゃったよー」
隣で舞羽が苦笑いを浮かべている。
[繭子]:「自分が今どんな状況にいるか、しっかり確認するよーに。ちなみに、現段階で成績が悪い人は留置される可能性もあるから、十分注意してね。先生からの一言メモでーす」
さらっとすごいことを言いやがったぞ、あのチビ介は。
[繭子]:「ってことで、先生の連絡は以上です。何か連絡ある人はいる? ――いないんなら終わりにしよう。やった~」
この短い時間で飽きたんだろうかあの人は……こんなんで授業が出来るのか? ひどく不安に思えてしまった。