ブリランテ 【ディスティニーデイ】 6
[吹雪]:「それにしても、あれだな。こうやって見ると、生徒会って何でもやってるんだな」
[ダルク]:「そうかもしれないね」
手は休めずにダルクは返事する。
[吹雪]:「水質調査とか、窓ガラスの修復とか、ベニヤ板の配送の申請とか、普段日常で出てこない雑務も生徒会が担当してたのか」
[ダルク]:「まあね。それが生徒会のメインの活動だから。生徒が部活や勉強に専念できる環境を作ってあげる。住みよい学園生活のサポートだね」
[吹雪]:「なるほどな。じゃあ、マジックコロシアムの日も、生徒会は動いていたんだ?」
[ダルク]:「うん、もちろん。受付はもちろん、パトロールだって生徒会がやってたんだよ」
[吹雪]:「やっぱりか、どうりで祐喜がいなかったわけだ」
[ダルク]:「祐喜さんは副会長だからね。その日はパトロールの代表だったから、休憩時間以外はずっと歩き回ってたよ」
[吹雪]:「そうだったのか。ん? じゃあその流れでいくと、杠も仕事してたってことだよな?」
[ダルク]:「うん、もちろん。会長が仕事しなきゃ、生徒会は成り立たないからね」
[吹雪]:「でも、あいつコロシアムに出てただろ。準備とか忙しいだろうに」
[ダルク]:「うん、だから聖奈美が主にやってたのは、この部屋での情報処理だったの」
[吹雪]:「あ、なるほどな」
役員を捌いていたってわけか。
[ダルク]:「処理が遅れると、問題解決も遅れちゃうから、結構重要な役回りなんだ。それをやりながら、聖奈美はコロシアムに出場してたの」
[吹雪]:「そうか。……じゃあ、俺が決勝で勝てたのは――」
[聖奈美]:「関係ないわよ、それは」
[吹雪]:「おわっ!?」
気付けば後ろに本人が立っていた。
[吹雪]:「い、いつからそこに?」
[聖奈美]:「たった今よ、ちょっと資料を取りにね。言っとくけど、あんたが思ってることは度外視していいことだからね。こんなこと肯定したくはないけど、あんたは実力であたしを任したんだから」
[吹雪]:「だが、仕事と両立してたんだろ。俺以上に疲労は」
[聖奈美]:「溜まってなかった、って言えば嘘かもしれないけど、大したことはなかったわ。それに、あたしは一回戦シードだったし、疲労の度合いはあんたと同じくらいよ。条件的にはほぼ同じよ」
[吹雪]:「そうか?」
[聖奈美]:「そうよ、イチイチそんなことは気にしないほうがいいわ。そんなこと言ってたらいくらでも理由が作れるじゃない」
[吹雪]:「ま、まあな」
[聖奈美]:「しゃきっとしなさい、しゃきっと」
[吹雪]:「お、おう」
[聖奈美]:「さあ、仕事仕事。ダルク、去年の年末の日程資料、出してもらえる?」
[ダルク]:「うん。えーっと……はい、コレ」
[聖奈美]:「ありがと、じゃあ、サボるんじゃないわよ? 大久保」
[吹雪]:「分かってるよ」
杠は生徒会室に戻っていった。
[吹雪]:「認めてくれたんだな、俺のこと」
[ダルク]:「うん、最初は悔しがってたけど、区切りをつけたみたいだよ」
[吹雪]:「ふーん」
俺が思ってるよりも、あいつはいい奴なのかもしれないな。出会いが出会いだから、というのもあるかもしれないが。
[ダルク]:「再開しよっか、仕事」
[吹雪]:「おう」
気を取り直して資料に目を落とした。
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