グランディオーソ 【決戦!! マジックコロシアム】 15
――その後の三回戦、準決勝を俺は何とか勝ち抜くことに成功した。さすがはマジックコロシアム、上に行けば行くほど苦戦を強いられたが、辛くも勝利することに成功した。特に小林はかなり強かった、さすがは去年の準決勝出場者と言ったところだろうか。大分疲れが溜まってきたがここからが本番だ。あの女と勝負するために、俺はここまで勝ち抜いてきたわけだし。あいつに勝って、俺の実力を証明してやらなければ。
[舞羽]:「まだいけそう? 吹雪くん」
[吹雪]:「ああ、何とかな」
[愛海]:「いやー、それにしてもやるわね大久保くん。現時点でみんな脱帽状態じゃーん。何で去年出場しなかったのかみんな不思議がってるわよ」
[吹雪]:「前にも言っただろ? 俺は見るのが好きなんだ、実際に出るのは好きじゃないの」
[愛海]:「――本当は?」
[吹雪]:「いや、本当だよ」
[愛海]:「ええー? じゃあ来年は出ないの?」
[吹雪]:「まあ、何事もなければな」
[愛海]:「うわー、つまんなーい。つまんなすぎてぬるぬるするー」
[吹雪]:「例えがわけわかんねぇよ」
[舞羽]:「愛海、もともとは吹雪くん出る予定なかったんだよ? 無理強いしちゃダメだよ」
[愛海]:「だってー。舞羽は来年も大久保くんの勇姿を見たいと思わないのー?」
[舞羽]:「え? それは、見れるなら見たいけど」
[愛海]:「でしょー? 仮に今回優勝しちゃって来年は出ないなんて言ったら、大久保くん相当嫌われるわよ」
[吹雪]:「な、何でだよ」
[愛海]:「あなたの戦いぶりを見たくてマジックコロシアムを楽しみにしていたのにまさかの欠場、嫌われるのは目に見えてるじゃない」
[吹雪]:「そんな大げさな」
[愛海]:「大げさ? 分かってないわね大久保くんは。こういうトレースがみんなの中では成り立ってるのよ、すでに。今回の大会で大久保くんが善戦する=大久保くんの知名度が上がる=来年も出るものと期待される。なのに、来年の大会で大久保くんが出ない=去年の戦いぶりを見て大久保くんのファンになった人が驚愕する=ファンが悲しむ=マジックコロシアム見る気がなくなる=マジックコロシアムの人気がなくなる=マジックコロシアムが廃止される=大久保くんが嫌われる=大久保くんが殺される、ってことになるのよ」
[吹雪]:「待て待て、最後の飛躍がおかしすぎるだろ」
[愛海]:「ええ? 一体どこが?」
[吹雪]:「俺の人気がなくなるっていうのは何となく分かるが、最後の二つ、コロシアム廃止と、俺が殺されるってどう考えてもあり得ないだろ」
[愛海]:「イッツ・ア・バイオレンス、ね」
[吹雪]:「ね、じゃねぇよ!」
[愛海]:「それだけ大久保くんには出てほしいのよ、みんなは」
[吹雪]:「そんな声は去年聞かなかったぞ」
[愛海]:「今年になって大爆発したのよ。特に今、ナウ、初出場で決勝まで進出したのよ。嫌が応にも注目は集まるでしょう」
[吹雪]:「それ言ったら、杠のが注目度は高いじゃないか」
あいつは一年生にして優勝を果たしたわけだし。




