グランディオーソ 【決戦!! マジックコロシアム】 11
[繭子]:「あー、興奮した~。もう心臓が飛び出そうだったよ~」
[舞羽]:「うん、確かに白熱しましたね。長期戦にはならなかったけど」
[カホラ]:「次もあるから、ちょうどよかったんじゃない? 一回戦から長期戦じゃあ、決勝まで魔力がもたないし」
[繭子]:「ワタシは確信したよ。ふーちゃんは絶対に高みを目指せる、優勝はもらったも同然だよ~」
買ってきたおにぎりにパクつきながらマユ姉はそんなことを言っている。
[祐喜]:「吹雪の次の対戦者は……後藤さんだね」
[翔]:「さっき、オレの屍を越えていった先輩だな。手強いぜ、注意しろよ、吹雪」
[吹雪]:「まあ、そのつもりではいるけどよ」
お前の屍を越えたから強いんじゃなく、もとから実力者なんだと思うが。三年連続でこの大会に出場しているわけだし。
[祐喜]:「でも、後藤選手は確かに今大会の中でかなりの力を持っているみたいだよ」
[吹雪]:「そうなのか?」
[祐喜]:「うん、生徒会で仕事してるときに、そんな話を耳にしてね。カホラ先輩は知ってますよね?」
[カホラ]:「ええ、三年生間では、結構注目されてたみたいだったわ。何と言っても皆勤賞だもんね。一年生の頃から善戦してたみたいだし、経験豊富だからね」
[祐喜]:「翔が負けるのは必然ってことだね」
[カホラ]:「ぐほっ、祐喜、人が気にしてることを。気だけに振舞ってるけど、結構くやしかったんだぞ」
[祐喜]:「だってさ、いくら勝つ気があったとしたって、攻撃魔法一つもできないのに勝てるわけないじゃん。跳ね返して攻撃しようとでも思ったの?」
[翔]:「うっ……」
[祐喜]:「今回で分かったでしょう? やる気だけじゃ、どうにもならないこともあるってこと。後、勝てもしないのに、下心も持つものじゃないよ」
[翔]:「うう、言い返したいけど言い返す言葉も」
祐喜、すごいな。あんなはっきりと、さすがは生徒会だ。――というよりだ。
[吹雪]:「祐喜」
[祐喜]:「ん? 何だい吹雪」
[吹雪]:「翔にバリア系の魔法を教えたのって、お前なのか?」
[祐喜]:「まあ、そうなるかな」
やっぱりか。
[祐喜]:「翔に泣きつかれてさ、何でもいいから教えてくれって」
[吹雪]:「だから、バリアか」
[翔]:「長く生き残るためには、あれが一番のはずだからね。攻撃できないから、勝ち目はゼロだって教えたけど、それでもいいって言い出してさ」
[翔]:「き、奇跡が起きるかもしれないじゃないか」
[祐喜]:「そんな何回も奇跡が続いたらそれもう奇跡じゃないでしょう」
[翔]:「うぐ……」
[舞羽]:「でも、ちょっとびっくりしたな。翔くんが魔法使ってたから」
[翔]:「須藤、それってどういう意味だよ……」
[吹雪]:「それ俺も思ったぜ。てっきり一つもできないものだとばかり思ってたからよ」
[繭子]:「ワタシも~」
[カホラ]:「確かにそうね」
[翔]:「み、みんなして、ひどいよ……う、うわあああっ」
翔は泣き崩れた。




