モルト 【突然の宣戦布告!?】 6
[聖奈美]:「ホントに、あなたはあたしを怒らせるのが得意ね」
[吹雪]:「お前がこの教室に来なきゃこんなことにはならなかったと思うぞ」
[聖奈美]:「とにかくよ、あたしは今年、マジックコロシアムで二連覇がかかってるの。言わば優勝候補よ。そのあたしを下してみなさい。ま、無理だとは思うけどね」
随分と自信があるようだな、コイツは。やっぱり、出なきゃダメなのかね? 流れからして。
[聖奈美]:「ここまで来て、出ないなんてことはないわよね。大久保吹雪」
[吹雪]:「ちょっと待て、今考えてる……」
[聖奈美]:「考えないでそこはスパっと決めなさいよ。男でしょう、あなた!」
[吹雪]:「うるさいんだよ! 少し口閉じてろ馬鹿たれ」
[聖奈美]:「アホに続いて馬鹿ですって……少ししか言われたことないのに」
言われたことあるんかい。
[舞羽]:「吹雪くん……」
確かに、ここまでコケにされて(?)黙ってるのもおもしろくないな。出る気なんてなかったけど……仕方ない。
[吹雪]:「分かった、出てやるよ」
[聖奈美]:「ふふん」
[愛海]:「おおー、大久保くんが立ち上がった」
[聖奈美]:「いいの? 出たことに後悔するかもしれないわよ?」
[吹雪]:「お前が出ろって言ったんじゃねぇかよ」
[聖奈美]:「そういうのは言わなくていいのよ」
[吹雪]:「何なんだよ……」
[聖奈美]:「見てなさい、あたしは絶対、あなたに勝ってみせるわ。絶対にね」
[吹雪]:「ああ、そうかい」
[聖奈美]:「その冷めた口調、ホントに気に食わないわね」
[吹雪]:「お互い様だよ」
[聖奈美]:「逃げるんじゃないわよ? ふんっ」
言うだけ言って、杠は身を翻して帰っていった。何ちゅう女だ、アイツは……。
[舞羽]:「ふ、吹雪くん」
[吹雪]:「――てわけだ。出ることになっちまったから、応援よろしくな」
[舞羽]:「う、うん。頑張ってね、吹雪くんなら絶対に勝てるよ。でも……大丈夫なの? 急にこんなことになって」
[吹雪]:「――まあ、大丈夫だろう」
最近は――落ち着いてもいるしな。
[吹雪]:「やるからには頑張るよ」
[愛海]:「これはおもしろくなってきたわねー。今年のマジックコロシアムは必見ね」
[吹雪]:「そんな大事じゃあないだろ?」
[愛海]:「いやいや、これはとんでもない名勝負になる予感がするわよ。近年は凡戦ばっかりであんまり見る気はしなかったけどさ、実技1位と2位の者同士の争いなんて、胸躍る大イベントじゃない。……どっちに賭けようかしら」
[吹雪]:「賭博かよ、おい!」
[愛海]:「大丈夫よ~、大久保くんのほうにも賭けるから~」
[吹雪]:「そういう問題じゃねぇだろ」
[翔]:「よし、オレも吹雪に一点賭けだ。負けんなよ? 吹雪」
[吹雪]:「賭けんな!」
[翔]:「翔だけに?」
[吹雪]:「寝てろ」
[翔]:「ふぐおっ!?」
翔はまた机に突っ伏した。




