モルト 【突然の宣戦布告!?】
11月25日(木曜日)
[場所:グランド]
[舞羽]:「――吹雪くん、あれじゃないかな?」
[吹雪]:「ああ、そうかもな」
[舞羽]:「行ってみようよ」
[吹雪]:「おう」
俺たちは、グランドに掲示板に張り出されたテスト結果を見に行く。
[祐喜]:「ん? あ、吹雪、こっちこっち」
一足先に来ていた祐喜が、俺たちに手招きしていた。
[吹雪]:「早いな、祐喜」
[祐喜]:「気になっちゃって早く来ちゃったよ。それより吹雪、あれ見てよ、舞羽ちゃんも」
[吹雪]:「どれどれ」
[舞羽]:「うーん」
掲示板にはそれぞれの教科ごとの結果と、全体の成績が記されている。
[舞羽]:「――あ、ねえ吹雪くん。あれあれ」
[吹雪]:「ん? どれ?」
[舞羽]:「吹雪くん、魔法の実技試験、1位に入ってるよ」
[吹雪]:「何? マジか!?」
[舞羽]:「マジマジ。ほら、あそこ」
舞羽の指差したところに目を凝らしてみる。……1位、大久保吹雪94点。
[吹雪]:「ホントだ、やったぜ」
[祐喜]:「よかったね、吹雪」
[舞羽]:「おめでとう」
[吹雪]:「おう、サンキュー」
二人とハイタッチを交わした。普通に嬉しかった。頑張って練習した甲斐があったってものだな。
[吹雪]:「二人は何かランクインはあったか?」
[舞羽]:「うーん……私は何も」
[祐喜]:「僕は、一つだけ筆記でランクインしてるよ。5位だけどね」
[吹雪]:「だっていいじゃないか? へい」
バチっとハイタッチをもう一度交わす。
[祐喜]:「後は全体結果だね。探そう」
[吹雪]:「そうだな」
[舞羽]:「うん」
俺たちは協力してそれぞれの全体順位を探す。
[吹雪]:「お、舞羽あったぞ」
[舞羽]:「え? ホントに?」
[吹雪]:「ああ、200人中、68位だ」
[舞羽]:「やったー、前より上がったよー」
[吹雪]:「やったな、へい」
バチっ。
[祐喜]:「――お、僕のあった」
[吹雪]:「何位だ? 祐喜」
[祐喜]:「65位、舞羽ちゃんと同じくらいだね」
[舞羽]:「でも、上なのは祐喜くんだよ? すごいなー」
[祐喜]:「あはは、ありがとう。後は、吹雪のだけだね」
[吹雪]:「何処にあるんだろうな、俺の」
[舞羽]:「きっと吹雪くんのは前のほうだよ、前のほう探してみよう」
[祐喜]:「そうだね」
三人で掲示板を見回す。
[舞羽]:「うーん――あ、あった。吹雪くん、あったよ」
[吹雪]:「何処だ? 何処だ?」
[舞羽]:「ほら、あそこ」
[吹雪]:「お、ホントだ」
大久保吹雪、34位。掲示板にそう書かれていた。
[吹雪]:「おお、前よりも上がってる」
[舞羽]:「やったね、吹雪くん」
[祐喜]:「おめでとう、吹雪」
[吹雪]:「サンキュー、二人とも」
今日すでに4回目のハイタッチを三人と交わした。
[祐喜]:「やっぱりすごいな吹雪は。尊敬するよ」
[吹雪]:「そうか? 面と向かって言われると照れるぞ」
[祐喜]:「本当のことだよ、僕は本気で思ってるよ」
[吹雪]:「マジか? …………」
[舞羽]:「あれ? 吹雪くん、顔赤いよ?」
[吹雪]:「い、いや、気のせいだ。うん、そうに違いない」
[舞羽]:「怪しいな~」
[吹雪]:「気にするな。あんまり言うと、デコピンすんぞ?」
[舞羽]:「それはイヤだな~」
[吹雪]:「じゃあ、下手な干渉は避けていただきたい。オーケー?」
[舞羽]:「はーい」
[祐喜]:「邪魔になるから、そろそろ引き上げようか? ある程度人が引いたら、また見に行こうよ」
[吹雪]:「そうだな」
[祐喜]:「じゃあ、一旦帰ろう」
……そういえば、翔の順位見てなかったな。ビリではないと自信満々だったが、果たしてどうだったのか、後で本人に聞いてみるか。
[???]:「…………」
[???]:「聖奈美、そんなに気にすることはないよ」
[???]:「このあたしが、また負けるなんて……何てことなの……」
[???]:「……たった1点だよ? 悲観することじゃないよ」
[???]:「1点でも負けは負けよ。……大久保吹雪、覚えてなさい」




