アンダンテ 【吹雪の日常】 14
[愛海]:「じゃあ、激甘の問題にしてあげる。これならきっと解けるはずよ」
[舞羽]:「本当に解けるの?」
[愛海]:「ええ、ディップさんでも解けるわ」
[吹雪]:「誰だよソレは」
[愛海]:「それじゃあ行くわよ? 今私たちはマラソン大会に出ています。大久保くんが5位を、舞羽は4位を走っています。さて問題、大久保くんが舞羽を抜くと、大久保くんの順位は何位になるでしょうか?」
[舞羽]:「えっと、私が4位なんだから、吹雪くんはさん――」
[吹雪]:「待て、舞羽」
[舞羽]:「んむううっ!?」
危なかった、コレは引っ掛け問題だぜ。
[吹雪]:「答えは、4位だ」
[愛海]:「ファイナルアンサー?」
[吹雪]:「ファイナルアンサー」
[愛海]:「タララーン……正解!」
[吹雪]:「よし」
[愛海]:「よく引っかからなかったね、大久保くん」
[吹雪]:「まあな、危なかったけど、何とか分かった」
俺が5位で舞羽が4位、これがポイントだ。4位の舞羽を抜くと3位に順位が上がると考えがちだが、4位の人間を5位が抜くということは単純に順位が入れ替わるということ。つまり、4位の人間を抜いたら、自分が4位に変わるということになる。よくできた引っ掛け問題だと思う。
[愛海]:「さすがね、おめでとー。あ、そうだ吹雪くん」
[吹雪]:「ん?」
[愛海]:「そろそろ、舞羽の口から手を離してあげたほうがいいかもよ」
[吹雪]:「あ、しまった!」
[舞羽]:「ん、……むふぅ……」
慌てて離したが、少々舞羽はぐったりしてしまっていた。
[吹雪]:「すまん、舞羽」
[舞羽]:「うう、一瞬お花畑が見えたよ……」
[吹雪]:「悪い、つい……」
[舞羽]:「うん、大丈夫。また戻ってこれたから」
[愛海]:「どんな花が咲いてた?」
[舞羽]:「えーっと……ラベンダーとかコスモスとか、いっぱい咲いてたよ」
[愛海]:「そーなんだー、へー」
[吹雪]:「いや、真面目に答えなくていいって」
まだまだそこに行くのは後の話だ。




