モデラート 【放課後の過ごし方】 11
[聖奈美]:「単純に考えて分かるでしょう?」
[吹雪]:「翔あたりなら絶対に勘違いするだろうな」
[聖奈美]:「あ、あれは別物よ。あれを普通の人と一緒にしちゃいけないわ」
[吹雪]:「なかなか言うじゃないか」
[聖奈美]:「自業自得よ、彼が勝手にまいた種なんだから」
[吹雪]:「そうだな」
全てはあいつのせいに違いない。
[吹雪]:「で、何で俺が生徒会に行かなくちゃいけないんだ? 俺より詳しい人はたくさんいるはずだが」
[聖奈美]:「本当なら、生徒会の仕事は生徒会に頼むわよ。ただ今日も人手が足りないのよ。もともと少人数の活動だから、人手が足りないのはいつものことなんだけど、このままじゃあ軌道に乗りきれないのよね。だから、あなたに援護を要請したいの。手伝ってもらいたいのは綴じ込み作業だから、以前やったことがあるあなたなら無難にこなせると思ったから。それが一番の理由よ」
[吹雪]:「なるほど」
[聖奈美]:「やってもらえないかしら?」
[吹雪]:「やってもいいが、それ以外には何も手伝えないぞ? 生徒会のことは全く分からないから」
[聖奈美]:「心配いらないわ。生徒会の仕事はあたしがこなすから。大久保は綴じ込みに専念してくれればそれでいい」
[吹雪]:「そうか、だったらいいぞ。手伝おう」
[翔]:「なーぜーだー」
[吹雪]:「うおっ!?」
[聖奈美]:「きゃあっ!?」
[吹雪]:「お、お前、帰ったんじゃなかったのかよ」
[翔]:「別にいいじゃないか、帰るも帰らないもオレの勝手だ。それより、どうしてなの? どうしてオレの誘いは断るのに、杠の誘いはそんなあっさりと了承するの?」
[吹雪]:「そりゃあ、決まってるだろ」
[翔]:「何だよ」
[吹雪]:「お前にかまってたら疲労がたまるからだよ」
[翔]:「チクショーーーー! 吹雪のおバカー! えーーん!」
翔はすごいスピードで教室を去っていった。
[聖奈美]:「いいの? あんなこと言って」
[吹雪]:「心配ない、あいつは明日になったら今日のこと忘れてる」
[聖奈美]:「そ、それはそれでいいのかしら……」
[吹雪]:「ま、あいつのことはどうでもいいじゃないか」
[聖奈美]:「そ、そうね。じゃあ行きましょう」
俺たちは生徒会室へと向かった。
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