モデラート 【放課後の過ごし方】 3
[吹雪]:「ふう、うまかった」
今日もバーバロの料理は美味しかった。どうしよう、直帰してもいいんだが、別に混んでる様子もなさそうだし少し休んで行っても罰は当たらなそうだけど。……家に帰ってもダラダラするだけだし、どうせならここで休ませてもらってもいいか。暖かいしな、ここ。 そうと決まれば――
[吹雪]:「はあー」
[舞羽]:「お客様、食べ終わったお皿をお下げしてもよろしいですか?」
[吹雪]:「お、どうもー」
舞羽が腰を低くしてトレイに皿を乗せていく。
[吹雪]:「吹雪くん、まだバーバロにいる?」
[舞羽]:「ああ、ちょっと休ませてもらうよ」
[吹雪]:「そっか、ゆっくりしていって」
[舞羽]:「ああ。あ、追加でコーヒーもらっていいか?」
[吹雪]:「うん、了解。すぐ持ってくるよ」
舞羽は厨房に戻っていく。そしてすぐに、
[舞羽]:「はい、お待たせしました」
[吹雪]:「お、サンキュー」
軽く冷まして一口飲む。
[吹雪]:「うん、うまい」
[舞羽]:「よかった」
[吹雪]:「舞羽が煎れたのか?」
[舞羽]:「うん、手が空いてたからね」
[吹雪]:「そうか、何か心も温まった気がするよ」
[舞羽]:「あはは、大げさだよ」
[吹雪]:「おいしく飲ませてもらうよ」
[舞羽]:「ありがとう」
[吹雪]:「今日は何時までなんだ?」
[舞羽]:「えーっと、後30分くらいかな?」
[吹雪]:「あれ? 今日は早いんだな」
[舞羽]:「うん、店長が上がっていいって。学園のほう忙しいんだろうって」
[吹雪]:「知ってるのか店長は、舞羽がピアニストに選出されたこと」
[舞羽]:「うん、愛海が教えたみたい」
[吹雪]:「まあ、何となくそんな気がした」
言い触らすのが仕事と勘違いしてるよな、あいつは。
[舞羽]:「行事が終わるまでは、いつもより早めに上がっていいって言ってくれたの」
[吹雪]:「へえ、よかったじゃないか」
[舞羽]:「うん。……吹雪くん、できれば」
[吹雪]:「ああ、終わるまで待ってるよ」
[舞羽]:「えへへ、ありがとう」
舞羽は嬉しそうに笑っていた。
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