3日目 主夫と妻
こんな主夫が居ていいのかい? なお日にちと曜日があってないぞ? という疑問は日本海にでも捨ててくださいお願いします(土下座
なおこの小説に出てくる見覚えのあるタイトルは現実と一切フィットしてませんのであしからず(真顔)
6月28日、日曜日、午前8時。今日は涼子も俺も休み。いや、世間一般でも休み。そんな俺達夫婦は今はリビングのソファでのんびり寛いでいる。俺が涼子を膝枕しながら。
午前9時。
普段の癖のせいか今日も早起きして朝からのんびりと寛いでいた俺達夫婦。朝のテレビ番組を見ながらコーヒーを飲む俺と、膝に頭を乗せ、んふふふふと上機嫌な涼子。世間一般でも夫婦とはこんな感じなのだろうか。
午前10時。
相も変わらずテレビ鑑賞。だが番組自体は飽きていたので今は録画してあったピースコンバット・アサルトベーシックというものを見ている。
元はゲームなので、映画化したときは少し驚いた。はじめはプレイしてクリアしたこともあったため、微妙だな、と思ったが、見てみればいい意味で予想を裏切ってくれた。中の物語も設定も、映画仕様に変更されていたのだ。この感じ、続編が来そうだ。
午前11時。
そろそろお昼の時間だ。今日は平日頑張ってくれている涼子のために頑張らなければ。そう意気込み立ち上がろうとする。が、動けない。原因に目を向ければ可愛く膨れた我が妻涼子が俺をこれまた可愛げに睨む。
「イチャつきたい」
「とりあえず飯を作らせてくれ。お前のために豪華にするんだ」
「三度の飯よりイチャつきを」
「だから腹が減ってはなんとやらだからぜひ――」
「イチャつかせてくれなきゃ暴れるよ」
「分かったならば出前だ」
やはり、俺には涼子を止める術はないようだ……
午後1時。
出前のピザを食べ終えてからもなお続く映画鑑賞。俺のポジションは相変わらずソファ。そして涼子のポジションも変わらず俺の膝の上。長い経験の賜物か、膝に痛みがない。時折綺麗な髪を撫でると、んっふふふ~、と凄くご機嫌な声を上げる涼子。こんな姿を見ていると可愛くてたまらない。が、ここで抱きしめようならば夜がいろんな意味で怖いので我慢だ。やはり、太陽の色は正常な色で見たい。
午後3時。
もう4本目か何本目か、次の作品を見るとしよう。次に見るのはこれ、劇場版ミクロスフロンティーア、戦慄の歌姫。前編後編に分かれた映画で、元は土曜日にやっていたアニメだ。内容として、人が多くなってしまったあまりに、人々を乗せた船団が様々な宇宙に新天地を求めて旅立つというもの。その過程で一般家庭に育った超イケメンの主人公が出たり、地球で世界的に有名な超売れっ子の歌手や、シンデレラストーリーな女の子がそれはもう激しいトライアングールなことになったりと結構しっちゃかめっちゃかなことにもなるが、戦闘シーンもそれなりによく、話もそれなりに良かったので文句はない。ただこの話のせいで妻と議論になったのはいい思い出だ。俺はシェイル派。妻はライカ派。これは一生交わることのないあれだろう。
午後5時。
そろそろ夕飯の支度だ。今日はグラタンを予定している。早くせねば。いつの間にか眠っていた涼子を起こさないように降ろす。そして俺の部屋から俺特製、1人限定で騙すことのできる安眠型枕・タイプ膝枕Ver。他にも腕枕タイプや、お腹タイプなどもある。どれも涼子が眠ってしまった時に発動する。俺にとっての唯一の回避アイテムだ。
午後7時。
少し時間をかけてしまったが、とりあえず完成。後は涼子を起こすだけだ。あ、その前に風呂の予約をせねば。時間は……7時半からお湯が沸くようにセットしておこう。
午後7時10分。
涼子を起こす。平日の疲れがまだちょっと残っていたのか、少々ボケ気味。ぽーっとこちらを見てくる姿は愛嬌がある。そしてしばらくすると、あ、グラタンだ~、とのんびりな声とともにテーブルに向かう涼子。まだ焼けていないのに、なぜわかったのだ…。
午後8時。
食事を終えてしばしの休憩。洗い物も涼子が手伝ってくれたおかげですぐに終わった。後は沸き終わった風呂に入って眠っておしまい。だが、今はまたのんびりする。明日からまた忙しいのだし。
「ねぇ」
「なんだ?」
「……愛してる」
「……俺もだ」
やはり、夫婦というものは良い。
その夜はまた愛し合ったのは言うまでもない。
涼子……少しは抑えてくれないか?
もちろんあの戦闘機ゲームの映画なんてないからね、わかるね?