始まり
始めまして梅雨ゼンセンです!
不備も多々あるかと思いますが、どうか温かい目で見守ってください。
1000年前――――
聖魔歴100年のこと――――
世界は、戦火に包まれていた。
『魔族』――対――『人間』
『魔王』率いる異形の魔族軍と、それに対する人間の『国家連合軍』との戦い。
魔王は恐怖と暴力による侵略を、
人間たちは正義と十字架を、掲げて。
その戦いは激しさを増し、およそ100年にも及んだ。その間、数えきれない命が奪われたことは言うまでもない。
そして苦闘の末、人間たちは魔族を滅ぼすことに成功した。人間たちが勝利を掴んだ。
そして――――
退魔歴1000年
地上から魔族が消えてから1000年。
かつての大戦は歴史になり、世界は掴み取った平和を謳歌していた。
一方で各所では人間同士の戦争が起こり、この1000年の間に数多の国が築かれ、消えていった。
領土の拡張。資源の奪い合い。
民の反乱。
国家間の小さな諍いの発展。
様々な種火によって戦火は灯された。
そして世界は、『強』と『弱』に分かれた。
幾多の戦火を潜り抜けてきた強者と、その域に至らぬ弱者に。
そして世界は、弱者が強者の駒となるような形で安定いていった。
強国の領土内は豊かなものになり、弱国は協力関係という名目の元、植民地同然の扱いを受けるところがほとんどだった。
力でねじ伏せる弱肉強食の、安定。
しかし、変化は起こった。
魔族の再来。
その知らせに誰もが耳を疑った。
最初の目撃以来、様子見は終わりだと言わんばかりに各地で出現するようになった。そして現れた彼らは殺戮を繰り返した。
世界に再び闇の炎が灯った。
再来
再来である。
1000年前の恐怖の再来。
歴史の闇に埋もれていた燻りによる再点火。
魔族は強く、これに対抗する術を持たない弱国は次々と倒れていった。そしてそれを土台としている強国も少しずつ衰退していった。
これに危機感を持った強国らは、再び『国家連合軍』を結成することにした。
そして、物語は始まる――――