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櫻の樹の下で  作者: 赤司 恭
櫻の樹の下で、君と出会った。
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想ヒ人 *番外編*

六花視点、桃色警報発令中。

6話、フィーと蒼太が来るまでの話。

ヴィが誘拐されたと聞いて死ぬほど驚いた、でもダウェル家の人たちが凄く頑張って探し出し、夜中の執務室の血文字にはもっと驚いたけどそれはヴィが夢の中で自分の血で壁に一生懸命書いた…って聞いて、泣きそうだった。


フィーさんが、その時ヴィが私にキスをしていた――そう言っていたのを、ヴィに確認したら「した」と言うの。それはきっと生霊ね!絶対そう。


拘束具で両腕を前に固定されて、足が血みどろ首や胸にキスマークを付けられていて、凄く凄く混乱したけどヴィはもっと精神的に来ていて入院した日から4日も目が覚めなくて。


ダウェル家の執事さん達が「ダイジョブ」とニコヤカに笑いながら、嫌な顔一つせず毎日朝と夜の送迎をしてくれているのは、地理が分からない私には凄く嬉しい申し出で。


ローズおばあちゃんも、キャロラインおぼさんも「実家だと思って」と、以前使った客室に泊まれる手配をしてくれたの。


今日の昼にヴィが目を覚まして、開口一番私の顔を見て「僕臭いよ」だって!いいの!

御家族の方たちや、レオンにアーネストと喋って最後部屋に残った私に、凄い謝ってくるの。キスされたとか、キスマーク付けられてごめんねって。


「でも、子種は絞られてないから。」


「ばかー!」


直接過ぎよ!顔が赤くなっちゃうけど、丁度お迎えの時間だったから執事長が部屋を入ってきたのを幸いに、逃げるように部屋を出ちゃった。ヴィごめん。



5日目部屋に行くと「昨夜風呂に入ったから、僕綺麗だよ」と、何の報告なんだか分からないのが一番に言われて。


する事がないので花瓶の水替えとか、お茶を新しく貰いに行ったりヴィの読む新聞を買いに走ったり雑用をしていたの。


部屋に戻ると回診の時間で、足首の消毒をして貰って問診を受けたら夜までする事ないらしい。怪我がくっつくまで3週間、ヴィめ太るぞ。ふふふ。


白くて長い手を握る、手首はまだまだうっ血していたり、すり傷があったりして痛々しい。じっと見ていると、なんと言えない気分になってチュって舐めてやったら驚いていた。


「六花、きちゃないから駄目。」


「いいの、汚くなんかないもん!」


よいしょっとと、椅子からベットの隙間に乗り上げて目を見開いているヴィを、見下ろす。いつもと逆、なんか優越感。ちゅっちゅっちゅうぅと、唇にキスして舐め取るように…あの日ヴィの口にあった赤い口紅が脳裏に焼き付いていて、それを消すように繰り返ししつこく舐めていた。


「はぁ」


びっくりした顔で、私を見ている。ヴィ!私もやる時はやるのよ?


「綺麗になったかな?消毒よ。」


ウフフと笑ったら「心臓に悪い」だって、どういう事?


「ヴィ、回診は足だけ?他見られたりする?」


少し目が宙を漂って、左右に振られる。その返事を聞いて、お仕着せの寝巻の襟首をぐぐいと広げた。


「な、何?駄目だよ、汚い。こら!」


「汚くないでしょ?お風呂入ったでしょ?ココにある赤いの、ちゃんと消して六花印で上書きしてあげるから。」


人の彼氏になにすんのよね、ヴィの両手が突っぱねるけど頑張って力入れて顎の付け根から下に5つあるのに、きっちり吸いついて上書き完了。お仕着せの襟を元に戻して、ニマと笑ってヴィを見たら嬉しそうな複雑な顔で、私を見ていたの。



「ヴィ!」


「うん?」


「あれは事故なの!ヴィは気にしなくていいの!だから、いつも通り触り魔で超キス魔のヴィに戻って?」


嬉しそうに、凄く幸せそうに笑ってヴィが両手を差し出すから、しっかり抱きしめて貰っていつものキスをしたのです。今日はもう直ぐ、フィーさんが来るそうです。アロマオイルのお礼、ちゃんと言わなきゃ。


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