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櫻の樹の下で  作者: 赤司 恭
櫻の樹の下で、君と出会った。
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想ヒ人⑥

救急で搬送され、アキレス腱は見事に縫合され、内臓の出血はMRIを撮って一時的なものだと診断。

神経的な疲労が大きいらしく、発見された日から4日はこん睡状態であった。


コーデリアに上半身だけ襲われ、最初は六花に触るのを躊躇っていたが積極的に触れた六花のスキンシップにより、今は元に戻っている。5日目にフィーが病院に現れ、悠人の足首に触り何事かモニョモニョと言って帰って行き、夕方の回診で傷が全て塞がっているというミラクルが発見された。


「魔女だから、フィーは何でもできるんだよ」


不思議だが、現実であり六花と互いに顔を見て笑う。


アーネストとレオンは仕事の為に、明日帰国するのだと言う。


悠人は明日退院してダウェル家に1日いて、帰国するしばらくはリハビリに明けくれないと駄目だろうが。


拉致監禁・傷害で逮捕されたのは5人、主犯格のダレル犯行を示唆のコーデリア、共謀の男3人は蒼太が腕ききの弁護士を連れて来たので、実刑は免れないだろう。


「薔薇の匂い?」


クン…と六花の首に顔を寄せ、くすぐったそうに笑う六花を抱き寄せる。


「フィーが暇だからってアロマオイルを、沢山作ってくれたの」


鼻と鼻を擦り合わせ小さく笑う、どちらともなく唇を合わせてゆっくりと濃く味わって、悠人の手が六花の後頭部に廻って抱き寄せる。


「はいはい、ちゅっちゅしない。」


蒼太が遠慮なく入って来て、驚く六花に最後に1つとチュとする。


「…治療中」


「ウソつけ」


顔を真っ赤にした六花は、2人に挟まれて下を向いてモジモジ。


「蒼太」


「ん?」


ベットサイドに座り、オヤツに買ったソフトクリームを六花に渡すと、悠人は静かに笑う。


「ありがとう、私兵まで動かすのは予定外だったけど。」


「一度動かしてみたかったんだよな、面白いぞ~。」


「コーデリアの話は、かぁさんから聞いてるか?」


キョトンとした顔は、何も知らないのか。


「彼女は僕が10歳位の時に、一瞬だけ婚約候補に挙がった。実質半年だったけどね。」


「本当か?!」


1歳下の彼女とは、数回面識がありはにかむような微笑みを浮かべるような、そんな少女だったと記憶している。


「ただ、ばーさまとじーさまが猛反対したんだ。僕も相手は自分で探したかったしそれで立ち消えたんだけど、彼女は覚えていたらしくて…この別邸にも数度来て覚えていたけど庭は予想外に広くてね」


掴まって袋叩きにあったさと笑う。

コーデリアと悠人の意外な接点。


蒼太が部屋に入ってきて、最後のキスは勿論悠人から。

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