表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
櫻の樹の下で  作者: 赤司 恭
櫻の樹の下で、君と出会った。
9/158

ちいさきもの。

カタンと微かに音がして、六花は目が覚めた。




顔をあげると隣にいたはずの悠人がいなくて、音のした方向を見ると悠人が歩いてくるところだった。



「おはよ、体の調子は?」


「おはよう、ばっちりよ」


ベットに腰かけた反動で、よろけた六花を悠人が抱き寄せる。


「ちょっとじっとしてて…」


鎖骨に何かあたる感触がして、髪がふわっと持ち上がる。いいよとの言葉に、鏡で見ると小さな小さなリングがネックレスに通してあった。


「わぁ、ちいさーい!可愛い」


鏡越しに、後ろに立つ悠人に微笑むと小さなリングをつまんで見せてくれた。


「青とグリーン?ヴィンセントの目の色だね」


「そう、ちゃんとした指輪は今度買ってあげるけど、それまでこれ付けててくれる?僕が生まれたときに、両親が作ってくれたベビーリング。」


「ええ?!そんなの…凄く大事なものなのに?いいの?」


「僕が持っていても、仕舞ってあるだけだし六花さえ良ければね?」


コクコク頷き、ありがとうと抱きつく。



2日目は、午前中に少し練習をして敷地内の隅にある小さな竹林で、竹馬を作ったり筍があれば掘ってみようの日らしい。のこぎり片手に、蒼太や悠人が子供たちに竹馬を作り、小ぶりながら筍が10個採れたので、離れの台所で筍ごはんを作る女性陣。



「せんせいの家、おもしろいねー」


「竹馬、持って帰っていいかな」


レオンが、一番面倒を見ていた最年少の男の子が、おやつの時間に竹馬に乗れるようになり大喜びだ。


「ゴールデンウィークに、お邪魔してすいませんでした」


数人の親が、オヤツの時間に悠人や蒼太・美桜に申し訳なさそうに言う。この親達は、古株の生徒の親でもある。


「いやいや、全然OKですよ。俺と美桜も普段は英国アッチだし、アーネストとレオンなんかこの家に茶碗まである位入り浸ってるし」


カラカラと笑う蒼太。


「賑やかでいいですよ」


「私は、今年初めてだったんですよ。1月に入会したんですが、先生がガイジンさんだとは近所に住んでて知りませんでしたよー」


小学1年の息子の母は、家と住人のギャップに驚いたらしい。


お互い親と指導者の交流会が出来て、良い収穫だったと満足そうに親は思い、普段静かな家に子供の声が響く。




「せんせー、ありがとうございました♪」


生徒御一行が可愛らしく礼をして、ガヤガヤと帰宅したのが30分ほど前。

静かになりすぎて、美桜が笑った程だ。


寝転がってTVを見ていた蒼太が、むくっと立ち上がりどこかに走って行き直ぐ戻ってきた。


「そうそう、これ毎年のアレなんだけど。招待状。」


おとぎ話に出てきそうな、凝った装飾の封筒には、封蝋がしてある。


「ん、分かった。六花、夏にイギリス行きたい?」


招待状を六花に渡すが、受け取った六花は情けない顔で笑う。


「全部英語で書いてあるー」


「ああ、僕たちは普段英語で喋るから。」


「んじゃ、私が来るまでは皆ここで英語?」


「うん、英語よ?」


美桜がニコっと笑う。


「それは気にしなくていいから、つまり7月にばーさまの誕生日会やら諸々兼ねたお茶会するから、遊びに来ませんか?って。」


「行く♪」


六花の卒業旅行はハワイだ、幸いな事に5年パスポートを取得しているので問題ない。


「って事で、言っておいて。」


分かったと蒼太は頷く。


「楽しみだなぁ~、同じメンバーばっかりで飽きて来たんだよ本音はね」


「おばーちゃまも、喜ぶわ」


にっこり顔を揃えて笑う兄妹。


「あーっと、美桜確かダンス得意だった?」


不思議そうに兄である悠人を見て、コクンと頷く。


「六花、今から美桜にダンス習って?それでもって2人が帰国までに、一応の基礎は理解してほしいな?」



ニッコリ。



「だ…ダンス?ダンスって創作ダンスしかした事無いけど?きっと違うよね、社交ダンス?」


「そう、そっちのダンス。ひょっとしたらダンスはしなくていいかもだけど、念には念を入れて…だな?」


目線で蒼太を見れば、苦笑して頷いている。


「可能性は半分だけどね、出来ずに行くより出来て行く方が遥かにマシ」


意味が分からないまま、美桜に引きずられるように六花は連れ去られ2人が帰国する3日後まで、暇があればダンスの基礎練習に打ち込むのであった。



基本的に、更新はシンデレラタイムにしています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ