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櫻の樹の下で  作者: 赤司 恭
櫻の樹の下で、君と出会った。
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てんねんものです。



会長職に就任しても、外回りの仕事も稀にある。

某所に青山とアーネストを連れ、国際展示場横のTFTビルの食事処が満員だったのでカフェにて軽食を取る。



「あっちーなぁ」


アイスコーヒーのグラスを額に付け、アーネストは窓越しに周囲を見る。

女・女・女だ、土曜とは言え何故こんなに人間が溢れ返っているのか…。

たまに男子も通るが、背中にリュックを背負った小太りなのとか、ガリガリなのが紙袋を沢山持っているのが共通だ。



「ナニ?何がある?」


頬杖突いて、若干楽しそうに人間ウォッチングをしている悠人を尻目に、青山はサクサクと仕事の調整を行う。


「知らないのか?オタクの祭典。」


ブルブルと首を振る2人に、苦笑して携帯をパカリと開き何やら検索して見せると「おぉ」と驚く。

朝レオンの車で早めにビルに入り、会議室にて会議が始まったのだが会議が終わった今、周辺でそんな催事があるのだとアーネストは嬉しそうだ。


「時間ある?俺ちょっと見たい!ビルの前に階段あったから、そっから見たい!」


「人間しか見えんぞ?」


青山は去年社長と一緒に来ていて、周辺の混雑には参ったらしい―――特に電車が。





「おー!すっげー」


「声でかいって」


出入りする人の数が尋常ではなく、その様子を見物する悠人とアーネスト。後ろの日陰で、ヤレヤレとそれを見守る青山。


サワサワと2人を見て横を通る女子が増えたような気がするのは、気のせいではないだろう…双方規格外の容姿なのだから。


「あのー、どのキャラのコスプレなんですか?すっごく綺麗に染まってますよね?」


アーネストに女子が数名近寄り、その言葉をおずおずと遠慮しながらもハッキリと言い放つ。


「ブフッ」


漏れた笑い声、反射的に手で口を覆うが悠人がしっかり振り返って苦笑する。


「えーオレ?これ天然モノだけど?」


キャーッと女子が騒ぎ、口ぐちにどのキャラのコスなんですか?とか、聞きとれない。

悠人も巻きこまれ、カラコンだのブリーチなのか?とか口ぐちに質問攻めだ。


「あ…青山、撤収!」


悠人が素早く階下に移動し、何でもいいとタクシーを捕まえ3人でギューっと入り込んだのだ。


「なんだなんだ?あの異様な盛り上がりは?」


目を白黒させる悠人に、外をまだ凝視しているアーネスト。


「そりゃー、君達みたいな目を引く人が、こんな会場付近にいたらそういうのに興味がある人間だと思われるよ。」


タクシーの運転手にまで言われ、次回からは往復車にしようと決めるのであった。



ちなみに青山が、この顛末を六花とレオンに報告し、来年は迎えに行くからもう一度同じ事してくれと切実に願われ、丁重にお断りするのであった。



色々調べました(笑)

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