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櫻の樹の下で  作者: 赤司 恭
櫻の樹の下で、君と出会った。
63/158

さぁ、はじめよう。(前)

新章スタート。

本庄は初出社をして、給湯室に向かう。


常務の松永は、出社してまず最初にお茶を飲むのが習慣で、本庄はそのお茶番なのである。


いつもはその時間帯無人の給湯室は、ドアが閉まっており風で閉まったのかと開けると、広い背中のスーツ姿がありその頭髪は金髪だ。


「ダウェルさん?」


「あぁ、おはよ?」


ニコと笑み、邪魔にならないように隅に寄って何かしているのか、本庄がチラと見るとティーポットとカップが2つ。


「本庄さんは、お茶当番かな?」


「えぇ、常務が出社して一番に飲むお茶を、用意するんですよ。」


少し会話をすれば、片手をあげて出て行く。

どこに行くのかそっと、扉から覗き見すれば『会長室』。


「なんで?」


常務の湯のみ片手に、本庄は首を傾げる。



「わーい、ここでヴィのお茶が飲めるなんて♪」


ニコニコしながら、用意してくれた紅茶に持参した生姜ハチミツを入れ、一生懸命冷ましている姿が可愛らしい。


今日内示が出て、六花は秘書室勤務から会長室付きに異動となる。


コンコンとノックが聞こえ、六花が慌ててドアを開けると本庄がドアの外に居て驚き、その後ろから見慣れた顔がヒョコヒョコと2つ。


「アーネスト! レオン!」


「「モーニン♪」」


ピシリとスーツを着用し、爽やかに笑って会長室のソファに座って悠人に「俺もお茶」とのたまうアーネストは、相変わらずだ。



白熊レオン赤鬼アーネスト、お前達くつろぎすぎ」


苦笑した青山が、お茶セットを抱えて入って来て好きに飲むがいいと、尊大に言う。


「え?え?、どうなってるの?」


キョトキョト室内を見渡して、驚く六花をまずは座らせてお茶を飲ませる。


「えーっと、新入社員扱いだっけ?」


「まじで?初任給おいくらよ?」


ゲラゲラ笑うレオンは、スーツ姿が決まっている。


「悠人が脳みそ絞って、新しい人事を決めたんだよ。2人は新しく、悠人直接の部下として配属になって、会社全体を纏めて行く…だよな?」


「正解、僕はこの会社組織で信用しきれる人間がいない。だから信用出来る人間を、外部から連れて来たんだ。誰にも文句は言わせないよ。」


古狸共が、グダグダ言いそうだけどね…と苦笑するが、迷いはないのだろう目は何か強い意志を感じ取られる。


「アーネストも、遊び過ぎて疲れたんじゃないか?」


「ばか言え、親父に散々しごかれたっつーの。」


3か月弱の実家滞在で、朝から夜遅くまでしごかれたらしく、実家にはもう5年は帰らないぞとブツブツ言う。



コンコン


「おはようございます――おやおや、若獅子達が集まっていますね。」


湯のみ片手に松永がやってきて、青山が席を空けてそこに座る。


「朝一番にお茶だって?渋いね―」


「いやはや、本庄さんの番茶はなかなかですよ。今度ご用意させましょう。――内示、拝見致しました。階下の重役ポストの人間は、紛糾すると思いますが?」


「うん、紛糾結構。そのつもりで構成したよ、若手にチャンスを与えて古株はそれを助けて貰わないと。ままごとをしたければ、退社してもらって構わないよ。」


悠人のお尻から、三角の黒い尻尾が生えて見えるような気がするが、あえて皆は見ない様にする。


「じゃ、そろそろ新年最初の、社員集会です。」


青山の言葉に、一同立ちあがった。




国見さんを、本庄さんに名前変更(6/8)

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