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櫻の樹の下で  作者: 赤司 恭
櫻の樹の下で、君と出会った。
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わなじょうさんチのねんまつねんし⑤

年末年始は、これでおしまいです。



入れ違いに今度は青山が来て、せっかくだからと夕飯に巻きこみ昼から飲みに徹していたアーネストが、ポケットからSDカードを取り出しTVに差し込んだ。


「見てみて~、去年の出来事音楽入れてまとめてみたぞー」


ソファーに座ったり、ラグに座り込んだりしてアーネストの編集した動画を見ていると、どこで撮影していたのかカメラでの動画が収まっていた。

去年の正月から花見、GWの柔道に夏のキャンプ。


「あ・これウチの家じゃん」


蒼太が言うのは、英国のダウェル家。


「でかいな…。」


カメラの画像が揺れていて、走ってるようだ。複数の足音があり、その先には悠人の背中…


「これって…」


「やばい、レオン止めろ!!」



閃光と、爆音と、悠人の叫び声。蹴り飛ばしたドアの隙間には、六花がいた…。


「なんだ?何?この動画は、どこまで本当なんだ?」


「レオーン」


「悪い…リモコン見つからなくて。」


苦笑したレオンは、アーネストをボカリと殴る。


「ま…仕方ないかな?青山、これは良くできた合成だ。」


「ウソつけ!それならどうしてこんなに空気が悪い。」


ジトリと見てくる目には、冷ややかな目。


「夏場の火傷の原因さ、コレだから。僕はいわゆる超常現象を起こせる人間だ、勿論詐欺じゃあない。英国のSPRの名簿には、実験体として僕の名前が載ってる。」


「ちょ…ちょっと待て、SPR?超常現象?分かりやすく話せ、な?」



蒼太が口火を切って、分かりやすく話をした。

子供の頃のテディベア、誘拐された話、閉じ込められて開かない扉話。

そして、誘拐が元で今も英国に行くたびに、呼び出しがあって実験に立ち会っているとも。



「成程な、まぁ人間の脳みそは殆ど使われていないらしいし、そういう超常現象はあっても理解はできるな。」


「理解できるのか?」


「するさ!悠人は俺の雇用者だからな、理解せんでどうする。」


胸を張って言って、その言葉に笑みを浮かべる双子。


「これで青山も、仲間だからな。ヴィをマスコミに売ったら、お前を社会的に消すぞ」


レオンの言葉に、降参のポーズをする。


「しないよ、むしろお前ら俺が帰ったら、アーネストぼこぼこにしそうで怖い。」


「酔っ払いは、何するか分からないしやった事覚えてないからな…。」


仕返ししても、覚えてないだろうと横で泥酔しているアーネストを、グリグリとコメカミを痛めつける。


「…あー、まぁそうゆう訳で今年もよろしく」


複雑な顔で、青山は新年のあいさつを述べた。

アーネストのばかちん。

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