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櫻の樹の下で  作者: 赤司 恭
櫻の樹の下で、君と出会った。
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きらきら。

久しぶりに定時にあがれそうな目星がついたので、横で作業する六花を見る。


「作業の進み具合は?」


腕を伸ばして作業進行表を見れば、ほぼ9割がチェック入っていると分かり、微かに笑う。


「今日も定時で帰れそうなの」


にこーっと笑って、あとは今やってる仕事だけだと言う六花に帰り待っているようにお願いした。







「どこに行くの?」


自社ビルの受付で待ち合わせ、歩く悠人に何人か声を掛ける。


「ん? 約束していたものを、入手しに行くんですよ?」


「約束…ん?」


小首を傾げ、まぁいいやと少し先歩く悠人の追いつくと、チラと横を見た悠人が笑って手を握る。




電車で何駅か町に出ると、駅前の賑やかなビルに入る迷わず行く店が見えるに連れて六花はニコニコ顔に。


「和奈城です、お願いしていたの出来ていますか?」


店員に勧められ、少し奥のテーブル席に案内される直ぐに、ビロードの宝石皿のうようなものが来た。


「わぁ~~~、綺麗!可愛い!」


「こちらのリングでございまして、少し他のリングに比べると太いですが、お嬢様のお手に映えまわ」


ニッコリ笑った店員が、見せてくれたのはピンクの石とキラキラ光るダイヤの2種を使い、桜の花と花を敷き詰めた感じと木をイメージに配置された2本組の指輪だった。


ニッコニコ笑いっぱなしの六花を見て、店員もうれしそうに釣られて笑う。サイズの確認で一度はめてみようと、六花が指輪を持つと察した悠人が左手の薬指に嵌める。



「ゆるくありませんか?少しくらいでしたら大丈夫ですが、あまりゆるいと抜けてしまいますが?ちょうど良いみたいですね」


六花が気付いた時には、悠人は自分の分はさっさと付けていてシンプルながらも、模様の刻まれた指輪は真っ白な手に似合っていた。


「ありがとう、このまま持って帰ります」


下を向いて、指輪ばかり見ている六花を見て店員も「それが宜しいかと」と笑う。


帰りに食事している時も、車で移動している時もずーーーーーーっとニコニコな六花。


「そんなに喜んでくれるとは、僕も贈り甲斐あるね」


信号待ち、ハンドルに覆いかぶさった悠人が楽しそうな顔をしてクシャリと、六花の髪をかき混ぜる。

帰りに実家の斎藤家に立ち寄って、これまた先に連絡していたのか父母が揃って出迎え『婚約』の報告をすませる。


前回父母が和奈城の家に来た時に、既に遠まわしに幾つか決めていたので婚約したと言う事に反対もなく。『悠人君と一緒に頑張りなさい』と、笑顔で送り出された。








「おっかえりー、2人でおでかけどうだった?」


アーネストとレオンが、道場指南の終わりに母屋に寄って来た。

ニコニコ笑顔の六花を見て、何かあったのだろうと推察したレオンが席に着く。


「これ、買って貰ったの~」


「おーーーーー、おめでとう!」


「キラキラだなぁ、ピカピカだなぁ。悠人頑張ったな、立派なヤツ。」


「いやいや、本番はもっとキリっとしたのをね。」


2本のうち、石が大きな「桜の花モチーフ」はひっかかりそうだから余所行きに付けると、悠人の許可を貰って箱に大事にしまう。


「ばーちゃん家に行くとき、それ付けて行ったら皆驚くぞー♪」


来月に迫った渡英、アーネストもレオンも馴染みらしく付いて行く気満々だ。もちろんそれも見越して、先月蒼太から2人には最初から招待状が手渡されていた。


「2人共、あちらの家行った事あるのね?」


「あるある、何度もある。あの家は、チャリないと不便だな?レオン」


「そう、家の外じゃなくて中で使うんだよな…。俺、貨物で先に送って置いたけど?」


貨物便で自転車…、いや家の中で自転車ってどういう事なのか?六花は、不安気に悠人を見る。


「心配ないよ、行ったら分かるから」


クスクス笑う意味が分からないが、その言葉を信じ明日からガイドマップを見ようを決意した。





「今日は、本当にありがとう」


風呂から上がって、まだ濡れた髪を拭いていた悠人に六花が抱きつきお礼。


「どういたしまして、そんなに喜んでくれるなんて予想外。その形で良かった?」


「すっごくいいの、桜好きだもの。」


ソファに座って六花を抱き寄せると、どちらともなく唇を合わせペロリと耳を舐める。


「くすぐったい」


頭を抱き寄せて、耳元で小さく『何があっても、君を一生守って愛することを誓う。』と囁いた。



あまーいの。

プロポーズは、日本語で言ってますね…英語で掛けなかったんですの私が。(汗)

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